ファブリックとは、カーテンやベットリネンはもちろん、カーペット、壁紙、家具の張り地までをも含む布類の総称で、科学技術の向上に伴い、ここ十数年のうちに、その範囲もずいぶん広がってきました。

 

今後、科学機器類が家庭のなかにますます進出してくることが予想されますが、そんななかで、ファブリックは、私たちの生活空間にぬくもりと優しさをもたらす重要なエレメントです。

 

この巻では、インテリアコーディネートをするうえで、知っておきたい各種ファブリックの基本の性質を学んでいきましょう。

 

 

 

 

 

 

1.ファブリックとは

インテリアの中のファブリック

 

カーテン等の窓掛けやソファや布張りの椅子、クッション、テーブルクロス、ベットリネンなどインテリアのなかで、ファブリックが果たす役割は多岐に及びます。

 

また、壁紙やカーペット、人工皮革までもファブリックとしてとらえますから、ファブリックは家具と並んで、インテリアコーディネーションの基本的な要素であるといえましょう。

 

ファブリックは、一般的に、インテリアに、あたたかい安らぎを与え、個性的な装飾を加えます。

 

また、改装等の工事を必要としない場合もあり、簡単に比較的お買い求めやすい費用でコーディネートの変化が楽しめます。

 

それだけに、ファブリックの使いかた次第で、コーディネートの良し悪しが決まってしまうのです。

 

 

 

 

ファブリックとは

1950年ごろまでは、ファブリック=テキスタイル、いわゆる織りの(布)でしたが、化学技術の進歩により、従来の分類では、とらえきれない製品が多くなってきています。

 

 

・ファブリック

広い範囲での、(布状)のものの総称です。

いわゆる(布)から、カーペット、ラグ、タペストリー、フィルム状のもの、マット材、籐編み、ワイヤーフェンス、レザー、紙、これらを複合したもの、ラミネート加工したものも含みます。

 

 

・クロス

平面状をした、いわゆる(布)。

織物、編物を問いませんが、一般には、フィルム状のものは含みません。

 

 

・テキスタイル

織物のこと。

 

 

 

テキスタイルの歴史

テキスタイルの歴史は、人間の文化の発祥とともに、オリエントやエジプトで生まれ、中世ヨーロッパにひきつがれます。

 

 

・エジプト、中国、インド、ギリシア、アッシリア、ペルシア、ローマ等、それぞれの古代文明の遺跡にテキスタイルについての記録が残されています。

 

 

・中国は絹、エジプトは麻、インドは木綿が主流。

 

 

・中国の絹織物の技術は、インドを通じてビザンチンへ。ヨーロッパに流入したのは6世紀です。

 

 

・11世紀までのテキスタイルの主要産地は、ペルシア、シリア、エジプト。

 

 

・十字軍遠征後、職人がフランス、イタリアに流入。なかでも、シチリアのパレルモは、世界一の絹の生産地に。

 

 

・14世紀以降、イタリア北部のジェノバのベルベットが有名に。スペインのグラナダやセヴィリア、ダマスカスの絹も名を知られ、ダマスカスのものは特に(ダマスク)と呼ばれました。

 

 

・ルネサンス以降、ベルギー、ドイツ、オランダ、イギリスにもテキスタイルの生産が拡がり、特に、ベルギーのフランダース地方のウールは有名。

 

 

・16世紀半ば頃は、フランスでのテキスタイルの生産が最も栄えた時代で、1539年には、フランシス1世がゴブラン織(タペストリー織)の工場を創立。またリヨンは織物の町としての名を確立します。

 

 

・ところが、17世紀には、ナンテの追放により、プロテスタントの職人は、フランスを去ってしまいます。

 

 

・18世紀半ば頃より。イギリスにおいて、中国・インドの絹糸を輸入しての織物が繁栄。

 

 

・19世紀初頭、オーストリアでも織物の生産が栄えます。

 

 

 

数ある中からお読みいただきましてありがとうございました。

 

 

 

 

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