9月11日の名言
我々は、幸福になるためによりも、幸福だと人に思わせるために四苦八苦しているのである
ラ・ロシュフーコー
ここからは完全に妄想であり、フィクションです。
2010年 ギリシャ アテネ
「おーい!ラ!何してるんだよこんなとこで!」
ラは自慢のポルシェで信号待ちをしていると横のフェラーリからひょこっと顔が出てきた。
「お、おう!シェじゃないか!あ、あー俺は今からちょっと買い物に行こうと思って!」
「そうかそうか!何買うんだ?」
「今度パテックから出る新しい時計だよ。」
「あー500万くらいのやつか。あれは安いもんな!」
「シェは今からどこ行くんだ?」
「俺は今からパーティーだ。また今度お前も来いよ!」
「おう!サンキュー!じゃあな!」
「おう!じゃあな!」
そう言ってシェはブーンとアクセルを吹かすともうすぐ見えなくなった。
ラはそのあと角を曲がるとTOYOTAレンタカーに入って行った。
「いつもありがとうございますー!!!」
ラはあたりを伺いながらそこからこそこそと出た。
ラが自宅のアパートに着いた頃、電話が鳴った。
「はい!おうピか!久しぶりだなー!どうなんだよ最近!えっ俺?俺はもうノリノリって感じ?うん。そう。今から?あー、今はちょっとあれだな。きついな、今パーティーなんだよ。あのーモデルの。うん。そうそう。お前も今度来いよ!おう!じゃあな!」
ラは電話を切るとため息をついた。
2日後…
ラはハローワークに向かっていた。電車に乗り、15分ほどゆられて駅についた。
駅から少し歩いた時、後ろからものすごい音で車がやってきて目の前を通り過ぎるとすぐ前のオリックスレンタカーに入っていった。
ラが見たことのあるフェラーリだなーとみていると運転席からシェが降りてきた。
ラは少し驚くと身を隠した。
シェはフェラーリのカギを店員に渡すと颯爽と歩いて行った。
ラはシェの後をつけていった。
するとシェはぼろぼろのアパートに入っていた。
ラが家の目の前に行き表札を見るとそこには「シェ」と書いてあった。
ラがその場からゆっくり去ろうとしたとき、ジャージを着たシェが出てきた。
「あっ。」
「えっ?なんで?」
シェは完全に動きを止めた。
「いや、ちょっとさっき見かけたもんだから。」
「そうか…まぁいつかばれることだ。笑えばいいさ。そうさ。見栄を張っていたんだよ。みんなにいいようにみられたくてな。ほら!笑うなら笑えばいい。」
「シェ…あのー、あのさシェ、実は俺もなんだ。」
「えっ何がだよ。」
「だから俺も見栄を張っていたんだよ。」
「えっどういうことだ?」
「あー、だから簡単に言うとだなー。」
ラは上を向いて考えていたがしばらくするとこういった。
「我々は、幸福になるためによりも、幸福だと人に思わせるために四苦八苦しているのである」
「は?どういうことだ。」
「だから俺も車もレンタカーだし家もアパートだ。時計なんか買えるわけないし今もハローワークに行く途中だったんだよ。」
「ラ…。」
その言葉でシェは全てを理解した。
「そうさ。俺も苦しかったんだ。だからもうこんなことはやめよう。」
「そうだな、俺たちは何か大事なものを間違えたのかも知れないな。」
「シェ。これから飯でも食いにいかないか?」
「そうだな。近くに300円で生姜焼き定食が食べられる店がある。ご飯はおかわり自由だ。」
「決まりだな。」
そういうと二人は歩きだした。