「じぃちゃん!」
僕は久しぶりにじぃちゃんの研究室に訪れた。
「あっいたいた!じぃちゃん何してんの?」
「おータケシ!今な、また新しいのを開発中なんじゃ!今度のはすごいぞー。」
「ふーん。またなんか怪しい感じがするけど?」
「バカモン!怪しいとは失礼な!ご、ごほん!今回の発明はな間違いなくノーベル賞をもらえるぞ!聞いて驚くなよタケシ!この水に見える液体はな、その名も超回復液じゃ!この超回復液はな、飲むと人間の体から疲れを吸いとってくれるんじゃ。つまりこれをコップ一杯飲めば排泄物と一緒に1日の疲れが流れ出て元気になるという代物じゃ!しかもなんと副作用ほとんどない!ちょっっっとだけトイレが近くなるくらいじゃ!」
「へーすごいじゃん!そのトイレが近くなるが気になるけど!」
「ま、まぁそこは今から改良しようと思っとる所じゃ!」
「ちょっと飲ませてよ!」
「バカモン!お前はすぐにそうやって…」
「あーもうわかったわかった。あっ!そういえばさーこの前テレビで見たんだけど巨大彗星が近くに来てるんでしょ?」
「あーカマル彗星の事か?」
「そうそう、あれって普通の彗星とちょっと違うんだね。彗星ってシッポみたいなのが生えてるじゃん普通!でも今回のやつなんか火の玉みたいだったよ。」
「実はな、それには理由があってな。学者達は世の混乱を避けるために公表しとらんが実はあのカマル彗星はまっすぐ地球に向かっておるんじゃ。だからシッポは見えない。あれは横から見た時しか見えんからな。」
「え?それどういう事?」
「つまり、カマル彗星はこのままじゃと地球にぶつかるという事じゃ!最新のデータじゃと今から約3か月後に衝突しよる。」
「え?えっ?どういう事?衝突ってそれ地球やばいんじゃないの?」
「やばいも何も衝突した所が陸地なら衝突した国はもちろんだが、その衝撃で巻き上がる埃が世界中を覆い、世界は闇の世界に陥る。仮に海に落ちても世界中に大津波が押し寄せ世界はそれに飲み込まれ、大半の生物は死んでしまうじゃろうな。」
「えっ、ってことは…どちらにせよやばいじゃん!」
「そうじゃ。どちらにせよカマル彗星が地球に衝突すれば人類はおしまいじゃ。」
「えー!?!?」
「はっきり言ってあれはかなりやばい。あれだけ大きな彗星を破壊するのは今の人類の科学では難しいじゃろうし。ただ学者達は世の中が混乱するからギリギリまで発表はしないつもりじゃろうな。」
「どうするんだよ。」
「まぁ裏で国のトップが話し合って策は練っとるだろうがな。どうなるかじゃな。」
後日、国連は距離を測るという理由でカマル彗星にレーザー光線を当てる事を発表した。
じぃちゃんはそれを見て少しにやけながら、
「なるほど。高出力のレーザー光線でまるごと砕いてしまおうという事か。なかなか考えよったな。」
「レーザー光線で砕けるの?」
「いや、難しいじゃろうな。あまりに遠すぎる。ただそれくらいしか今の科学でできる策がないんじゃろうな。」
「じゃあこれが失敗したらまじでやばいってことじゃん!」
「うーん。まぁ今はただ様子を見守るしかないわい。」
2か月後。
じぃちゃんのいう通り、国によるレーダー破壊作戦は失敗に終わり、カマル彗星はその大きさを保ったまま地球にめがけて宇宙を飛行していた。その後もあの手この手で策を講じていたが結局全て失敗に終わった。
「じぃちゃん!」
「おータケシ。どうした?」
「あれからテレビでもカマル彗星について全然情報がないんだけどカマル彗星ってどうなるの!?」
「このままじゃともうほぼ間違いなくぶつかる。」
「まじ!?やばいじゃん!てかなんでじぃちゃんはそんな余裕なんだよ!」
「わしはもう十分生きたしみんな一緒に死ねるならそれもいいかと思ってのー。」
「あーもう何言ってんだよ!俺まだ死にたくないよ!」
「とはいえ、わしらにできる事なんか祈るぐらいしか…」
「はー。どうしよ…まだやりたいこともいっぱいあったのに…。」
僕は頭を抱えた。その時、一つの策が頭にひらめいた。
「ま、待てよ。これならいけるかも。じぃちゃん!これならいけるかも!」
「なんじゃ急に?…お前…まさか…。」
「そうだよ!テレキネシスで彗星を動かせれば地球は助かる!」
「バカモン!!!そんな事、どれだけの薬を飲まなければならないと思っておる!!それにまずあんな巨大な物体を動かせるわけなかろう!」
「いや、そうとは言えないよ。真空の宇宙空間なら少しの力を与えれば横に反らす事ぐらいはできるんじゃ?」
「うーん。確かにそれはあるかもしれんな…ただそれは彗星自体に力を加える事ができなければ成立せんぞ。今のままじゃあまりに遠すぎる。」
「だから彗星が最も地球に接近してくるギリギリを狙う。」
「それならもしかしたら…。やっぱりだめじゃ!タケシ!お前死ぬかも知れんのじゃぞ。」
「どうせ死ぬならみんなを救って死にたいじゃん。」
「お前…わかった。わしもとにかくそれまでに薬を改良してなんとか副作用を少なくしてみるわい。」
「頼んだよじぃちゃん。」
そしてついにカマル彗星衝突まであと1日という日を迎えた。
「じぃちゃん。ついにこの日が来たね。」
「あー。もう月より大きく見えとるな。」
空を見上げるとそこには青白く綺麗に輝く物体があった。
「この辺も人の気配がないね。」
「あー。こうも短期間に荒れ果てるとはのう。地球滅亡を知った市民が暴徒化してたのももう収まりつつあるようじゃな。」
「やっぱり最後の最後はみんな大切な人と一緒に静かに過ごしたいんだよ。」
「そうじゃな。」
「じぃちゃん薬は持ってきてくれた?」
「あー。なんとか改良して副作用を少なくはできたがどうしてもなくすことはできんかった。」
「仕方ないよ。じゃあ時間もないしやろうか。」
「そうじゃな。一度大気圏に突入してしまうと引力が強すぎて避けるのは難しくなる。今が最後のチャンスじゃ。」
「ふーーーー。さあ、勝負だ。」
僕はゆっくり深呼吸をしてから、瓶のフタを開けそれを半分くらい一気に飲んだ。
「ん。ぐ、ぐ、ぐわーーーーー!!!うわー!!!あー!!うー。あーーーー!」
強烈な頭痛が頭を締め付ける。
「はー!うぐっ。うーー!うっ。はぁ、はぁ、はぁ。」
しばらくすると頭痛は治まり、頭が覚醒してきた。
「大丈夫か?タケシ?」
「あー。なんとか大丈夫。いける気がしてきた。やってやる。」
僕は空を見上げて青白く輝く物体に意識を集中した。
「うおーーーーー!動けー!!」
僕は渾身の力を込めた。
「くそ。だめじゃ。やはり物体が遠すぎる。やはり届かんか。」
「くそー!動け動け動け動け動け動け動け!!」
僕は意識をさらに集中した。回りの木々はざわめき、砂ぼこりが僕の回りを渦巻いている。
しかし頭上の物体に全く変化はなかった。
やはり…無理なのか。
僕はその場に崩れ落ちた。
くそ…こうなったらもうあれをやってみるしか…
「じぃちゃん。ごめんよ。」
「タケシ!やめ…」
じぃちゃんがそう言い切るかどうかで僕は瓶にあった薬を全て飲んだ。
「タケシー!」
とてつもない頭痛が襲う。
「うがー!う、う、あーーーー!!!!!」
しばらく地面をのたうち回っていると次第に意識がすっきりしてきた。
「ふぅ。ふぅ。ふぅ。…よし。いける。」
僕は意識を集中した。
直後、巨大な地響きが鳴り響き、辺りの木々は倒れ始めた。
「す、すごいパワーじゃ。」
「うおー!!」
僕が力を込める。
「うん?お!う、動いとる!!シッポが見えてきとる!タケシ!動いとるぞ!」
「うあーーー!!!」
僕が最後の力を振り絞りその場に倒れ込んだ。
「タケシ!!タケシ!大丈夫か?タケシ!」
「じ、じぃちゃん。どう?うまくいった?」
「あー!成功じゃ!見てみ!」
じぃちゃんが指差した先には綺麗な尻尾を出した彗星があった。
「よかったー。俺もう眠たいや…。」
「おい!タケシ!おい!くそ!思ったより早い!このまま死なせるものか!」
こうして僕は眠りについた。
僕は久しぶりにじぃちゃんの研究室に訪れた。
「あっいたいた!じぃちゃん何してんの?」
「おータケシ!今な、また新しいのを開発中なんじゃ!今度のはすごいぞー。」
「ふーん。またなんか怪しい感じがするけど?」
「バカモン!怪しいとは失礼な!ご、ごほん!今回の発明はな間違いなくノーベル賞をもらえるぞ!聞いて驚くなよタケシ!この水に見える液体はな、その名も超回復液じゃ!この超回復液はな、飲むと人間の体から疲れを吸いとってくれるんじゃ。つまりこれをコップ一杯飲めば排泄物と一緒に1日の疲れが流れ出て元気になるという代物じゃ!しかもなんと副作用ほとんどない!ちょっっっとだけトイレが近くなるくらいじゃ!」
「へーすごいじゃん!そのトイレが近くなるが気になるけど!」
「ま、まぁそこは今から改良しようと思っとる所じゃ!」
「ちょっと飲ませてよ!」
「バカモン!お前はすぐにそうやって…」
「あーもうわかったわかった。あっ!そういえばさーこの前テレビで見たんだけど巨大彗星が近くに来てるんでしょ?」
「あーカマル彗星の事か?」
「そうそう、あれって普通の彗星とちょっと違うんだね。彗星ってシッポみたいなのが生えてるじゃん普通!でも今回のやつなんか火の玉みたいだったよ。」
「実はな、それには理由があってな。学者達は世の混乱を避けるために公表しとらんが実はあのカマル彗星はまっすぐ地球に向かっておるんじゃ。だからシッポは見えない。あれは横から見た時しか見えんからな。」
「え?それどういう事?」
「つまり、カマル彗星はこのままじゃと地球にぶつかるという事じゃ!最新のデータじゃと今から約3か月後に衝突しよる。」
「え?えっ?どういう事?衝突ってそれ地球やばいんじゃないの?」
「やばいも何も衝突した所が陸地なら衝突した国はもちろんだが、その衝撃で巻き上がる埃が世界中を覆い、世界は闇の世界に陥る。仮に海に落ちても世界中に大津波が押し寄せ世界はそれに飲み込まれ、大半の生物は死んでしまうじゃろうな。」
「えっ、ってことは…どちらにせよやばいじゃん!」
「そうじゃ。どちらにせよカマル彗星が地球に衝突すれば人類はおしまいじゃ。」
「えー!?!?」
「はっきり言ってあれはかなりやばい。あれだけ大きな彗星を破壊するのは今の人類の科学では難しいじゃろうし。ただ学者達は世の中が混乱するからギリギリまで発表はしないつもりじゃろうな。」
「どうするんだよ。」
「まぁ裏で国のトップが話し合って策は練っとるだろうがな。どうなるかじゃな。」
後日、国連は距離を測るという理由でカマル彗星にレーザー光線を当てる事を発表した。
じぃちゃんはそれを見て少しにやけながら、
「なるほど。高出力のレーザー光線でまるごと砕いてしまおうという事か。なかなか考えよったな。」
「レーザー光線で砕けるの?」
「いや、難しいじゃろうな。あまりに遠すぎる。ただそれくらいしか今の科学でできる策がないんじゃろうな。」
「じゃあこれが失敗したらまじでやばいってことじゃん!」
「うーん。まぁ今はただ様子を見守るしかないわい。」
2か月後。
じぃちゃんのいう通り、国によるレーダー破壊作戦は失敗に終わり、カマル彗星はその大きさを保ったまま地球にめがけて宇宙を飛行していた。その後もあの手この手で策を講じていたが結局全て失敗に終わった。
「じぃちゃん!」
「おータケシ。どうした?」
「あれからテレビでもカマル彗星について全然情報がないんだけどカマル彗星ってどうなるの!?」
「このままじゃともうほぼ間違いなくぶつかる。」
「まじ!?やばいじゃん!てかなんでじぃちゃんはそんな余裕なんだよ!」
「わしはもう十分生きたしみんな一緒に死ねるならそれもいいかと思ってのー。」
「あーもう何言ってんだよ!俺まだ死にたくないよ!」
「とはいえ、わしらにできる事なんか祈るぐらいしか…」
「はー。どうしよ…まだやりたいこともいっぱいあったのに…。」
僕は頭を抱えた。その時、一つの策が頭にひらめいた。
「ま、待てよ。これならいけるかも。じぃちゃん!これならいけるかも!」
「なんじゃ急に?…お前…まさか…。」
「そうだよ!テレキネシスで彗星を動かせれば地球は助かる!」
「バカモン!!!そんな事、どれだけの薬を飲まなければならないと思っておる!!それにまずあんな巨大な物体を動かせるわけなかろう!」
「いや、そうとは言えないよ。真空の宇宙空間なら少しの力を与えれば横に反らす事ぐらいはできるんじゃ?」
「うーん。確かにそれはあるかもしれんな…ただそれは彗星自体に力を加える事ができなければ成立せんぞ。今のままじゃあまりに遠すぎる。」
「だから彗星が最も地球に接近してくるギリギリを狙う。」
「それならもしかしたら…。やっぱりだめじゃ!タケシ!お前死ぬかも知れんのじゃぞ。」
「どうせ死ぬならみんなを救って死にたいじゃん。」
「お前…わかった。わしもとにかくそれまでに薬を改良してなんとか副作用を少なくしてみるわい。」
「頼んだよじぃちゃん。」
そしてついにカマル彗星衝突まであと1日という日を迎えた。
「じぃちゃん。ついにこの日が来たね。」
「あー。もう月より大きく見えとるな。」
空を見上げるとそこには青白く綺麗に輝く物体があった。
「この辺も人の気配がないね。」
「あー。こうも短期間に荒れ果てるとはのう。地球滅亡を知った市民が暴徒化してたのももう収まりつつあるようじゃな。」
「やっぱり最後の最後はみんな大切な人と一緒に静かに過ごしたいんだよ。」
「そうじゃな。」
「じぃちゃん薬は持ってきてくれた?」
「あー。なんとか改良して副作用を少なくはできたがどうしてもなくすことはできんかった。」
「仕方ないよ。じゃあ時間もないしやろうか。」
「そうじゃな。一度大気圏に突入してしまうと引力が強すぎて避けるのは難しくなる。今が最後のチャンスじゃ。」
「ふーーーー。さあ、勝負だ。」
僕はゆっくり深呼吸をしてから、瓶のフタを開けそれを半分くらい一気に飲んだ。
「ん。ぐ、ぐ、ぐわーーーーー!!!うわー!!!あー!!うー。あーーーー!」
強烈な頭痛が頭を締め付ける。
「はー!うぐっ。うーー!うっ。はぁ、はぁ、はぁ。」
しばらくすると頭痛は治まり、頭が覚醒してきた。
「大丈夫か?タケシ?」
「あー。なんとか大丈夫。いける気がしてきた。やってやる。」
僕は空を見上げて青白く輝く物体に意識を集中した。
「うおーーーーー!動けー!!」
僕は渾身の力を込めた。
「くそ。だめじゃ。やはり物体が遠すぎる。やはり届かんか。」
「くそー!動け動け動け動け動け動け動け!!」
僕は意識をさらに集中した。回りの木々はざわめき、砂ぼこりが僕の回りを渦巻いている。
しかし頭上の物体に全く変化はなかった。
やはり…無理なのか。
僕はその場に崩れ落ちた。
くそ…こうなったらもうあれをやってみるしか…
「じぃちゃん。ごめんよ。」
「タケシ!やめ…」
じぃちゃんがそう言い切るかどうかで僕は瓶にあった薬を全て飲んだ。
「タケシー!」
とてつもない頭痛が襲う。
「うがー!う、う、あーーーー!!!!!」
しばらく地面をのたうち回っていると次第に意識がすっきりしてきた。
「ふぅ。ふぅ。ふぅ。…よし。いける。」
僕は意識を集中した。
直後、巨大な地響きが鳴り響き、辺りの木々は倒れ始めた。
「す、すごいパワーじゃ。」
「うおー!!」
僕が力を込める。
「うん?お!う、動いとる!!シッポが見えてきとる!タケシ!動いとるぞ!」
「うあーーー!!!」
僕が最後の力を振り絞りその場に倒れ込んだ。
「タケシ!!タケシ!大丈夫か?タケシ!」
「じ、じぃちゃん。どう?うまくいった?」
「あー!成功じゃ!見てみ!」
じぃちゃんが指差した先には綺麗な尻尾を出した彗星があった。
「よかったー。俺もう眠たいや…。」
「おい!タケシ!おい!くそ!思ったより早い!このまま死なせるものか!」
こうして僕は眠りについた。