薬剤師・アロマ&ハーブインストラクター 椛島博子です。
「抗生物質はインフルエンザに効きますか?」という質問を受けますが、
原則インフルエンザには抗生物質は効きません。
何故かというと、インフルエンザの病原微生物はウイルスだからです。
抗生物質は細菌にしか効力を発揮しません。
理由は、前回ブログで書いたように、
細菌とウイルスの構造の違いや発育・増殖の違いがあるからです。
細菌とウイルスの構造の違い→http://ameblo.jp/kabariko/entry-11977382732.html
細菌には細胞壁があり、細胞小器官であるリボソームでタンパク質を合成して
エネルギーを産生し他の生きた細胞の力を借りなくても自分で発育・増殖できます。
またDNA,RNA2つの核酸を持っています。
ウイルスは細胞壁を持ちません。核と核を取り巻く膜だけでできたシンプルな構造です。
シンプルな構造なので他の細胞へ付着し潜り込みやすいです。
また細胞小器官も持たないので、自分自身で増殖できません。
細胞に侵入し自分が発育する為にタンパク質などを合成させたり、自分が増殖する為に遺伝
子を作らせたりもします。たちが悪いですね。
核酸もDNAかRNAの片方しか持っていません。
なのでウイルスは生きた細胞でしか増殖できないのです。
そこで抗生物質の作用機序をみてみると、大部分が細胞壁の合成阻害(壁がなくなると細菌は形を維持できない。)
または、タンパク質合成阻害(エネルギーとなるタンパク質を作れないと発育・増殖できない)
など。
そうなると、細胞壁やリボソームを持たないウイルスに対して抗生物質は効くはずががありま
せん。
インフルエンザの病原微生物はウイルスなので、結果的に
インフルエンザに抗生物質は効かないということになります!!
ただし、インフルエンザが長引き、のどなどの粘膜に炎症を起し細菌に感染する恐れのある場合は
抗生物質が投与されることもあります。
では、次はインフルエンザにアロマが有効な理由
について書いてみたいと思います。