小説『サブロウの冒険』2020.2.5.〜2.6. | まことアート・夢日記

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夢日記、メタ認知、俳句モドキ、詩、小説、音楽日記、ドローイング、デジタルペイント、コラージュ、写真など。2012.1.6.にブログをはじめる。統合失調症はもう20年ぐらい通院している。

小説『サブロウの冒険』2020.2.5.〜2.6.
徳村慎


2020.2.5.
「寺の中」


気づくと寺の中だった。修学旅行らしい。
僕(サブロウ)は、団体の中にいて、ずんずん奥へ奥へと進む。
しかし、目的の場所には、たどりつかない。
まだまだ奥に目的の場所があるらしい。

*どうやら、図書室の本の中の世界らしい。とにかく寺なのだ。


パンダ「夢の世界だ。真実に触れている気がするよ」

サブロウ「そうかもね」

カバ「寺というのは、仏教をあらわしたたものなのか。それとも美術をあらわしたものかもねぇ」

つまりは、僕(サブロウ)は、仏教(スピリチュアル)や美術を極めたくて奥へ奥へと進んでいくが、極められないのか。
人よりも進んだと思っていたのは勘違いだったらしい。

だいたい、人よりも多く知っているとか知らないとかで人間の価値は決まるもんじゃない。

生産的かそうでないか、なんて誰にわかるだろうか?

社会的に非生産的な人でも芸術が秀(ひい)でていたりするものだ。

アウトプットのある人生。インプットのある人生。
どちらも素晴らしい。

影人間が現(あらわ)れた。
「オレは、もっともっと進んでやる。お前なんかの届かないところへ」
寺の奥へと進んでいく。

影人間は、僕らの誰とも友人ではない。
知っていそうな口調(くちょう)で話すけど、誰も知らない存在。

僕は影人間を追いかける。
寺は広大な建造物だ。
門をいくつもくぐっても、目的地には、たどりつかない。

じゃあ、目的地は、何なんだろう?
分からない。

別の影人間は、団体でやって来て、僕の進む方向とは逆に進むので、なかなか前に進めない。

また別の影人間は、大きな斧(おの)で僕を2つに切り裂く。

もう1人の僕は影の団体の流れに乗って、寺の入り口へと流されていく。

僕は右足を失った。
いつのまにか義足をつけている。

義足でサッカーボールを蹴ってドリブルしたら、寺の奥へと進めた。
いくつかの門を過ぎる。

サッカーボールがねっとりと溶けて僕の右足の義足を包む。透明で黒くもあるサッカーボールが溶けてできた液体の中へと僕は沈んでいく。
沼だ。

沼は寺の門から門までのあいだにある。
小鳥が飛んできて僕の頭にとまった。
僕の体は首まで沈んでしまっている。

元上司がやって来て、僕の顔面を蹴る。

僕は何度も気を失っては息を吹き返す。

パンダが巨大化して、5メートルぐらいの身長になっている。
パンダが僕の頭をつかんで沼からひっぱり出す。

元上司は黒い影人間となって、僕の背中を突き飛ばしたりする。

戦わなきゃダメだ。
ナイフを使って元上司の影人間を刺したが、笑って立ち去る。死なないのか。

元上司の影人間「じゃあ、またな」

影人間の正体は、過去に僕(サブロウ)をいじめた人間なのだ。

カバ「帰ろうよ」

サブロウ「嫌だね。ようやく影人間がいなくなったんだ。この世界で楽しむよ」

パンダは元のぬいぐるみのサイズに戻る。

パンダ「この寺は無限ループしてるのかもね。奥へ奥へと進んでいるつもりでも、ちっとも進んでいないのかもよ」

サブロウ「僕にとって宗教は、なんだったんだろう?」

パンダ「イワシの頭も信心から」

サブロウ「パンダは神様じゃないの?」

カバ「カバ仏(ぼとけ)を信じなさい」

サブロウ「やっと。やっと見つけたんだ。仏教の禅宗を」

パンダ「Zen & Yoga」

カバ「心と体」

サブロウ「いや、禅とヨガは、心と体ではないだろ」

パンダ「まあ、禅もヨガも似たようなもんじゃないか」

カバ「違うよ」

サブロウ「とにかくスピリチュアルっていうか宗教が僕を支えてるんだ」

カバ「違うよ。ごく一部だよ」

サブロウ「支えてるんだ。一部だろうと、なんだろうと」

パンダ「パンダ大明神を信じろ」

カバ「カバ仏」

サブロウ「宗教なのか妖怪なのか、僕が好きなのはなんだろう?」

パンダ「どっちもだろ」

カバ「怪奇なものは、なんでも好物だろ」

サブロウ「そうだな。本物である必要は無いんだなぁ。作り話でも良いんだ」

カバ「寺ってのは、地球って意味だから。テラだから」

パンダ「そんなタイトルの漫画あったなぁ」

サブロウ「妖怪、UMA、UFO、宇宙人、怪奇現象、超能力、SF、ファンタジー、、、エトセトラ。。。」

カバ「じゃあ、この寺は、謎に満ちた地球なのかもなぁ」

サブロウ「超能力ってあるのかなぁ?」

パンダ「未来の世界を現代人が見てみれば超能力に見えるさ。過去の人間が現代人を見ても超能力に見えるだろう」

サブロウ「たしかになぁ。iPhoneなんて、昔の人間からしたら超能力かもなぁ」

カバ「寺の夢は、また見るだろうなぁ。。。その時は、今よりも奥へ進めるのか、それとも、奥に進むこと自体が、実は不可能な世界なのか。。。」

サブロウ「哲学も面白いよなぁ。心理学も面白い。特に、傾聴の本は面白かったなぁ。。。アドラー心理学とか、ユング心理学とか。。。フロイトの本も読んだっけ」

カバ「ネットでは、スピリチュアル関係も良く読んでるね」

サブロウ「ムーって雑誌は面白かったなぁ。。。」

パンダ「映画なら、バイオハザードとかもいいね。アンデッド(ゾンビ)が出てくる」

カバ「最近観(み)た、SFの映画、スタートレックも良かったね」

サブロウ「僕にとっての寺って、いろんなイメージから成り立っているのかもね」

2020.2.6.
寺は、いろんなイメージから成り立つ。。。
当たり前だが、本当のことだろう。

人間は生きているだけで、罪深いものなのだ。
その罪深い自分を意識して行動しなければならない。『歎異抄』には、そういう意味のことが書かれていたように思う。

サブロウは、いつのまにか夢の世界から、自分の布団の中に帰還した。

パンダとカバは、キキキのキ、と笑った。

「寺の中」(おわり)


最後まで、読んでいただきまして、、、
ありがとうございます😊