小説『サブロウの冒険』2020.2.4. | まことアート・夢日記

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夢日記、メタ認知、俳句モドキ、詩、小説、音楽日記、ドローイング、デジタルペイント、コラージュ、写真など。2012.1.6.にブログをはじめる。統合失調症はもう20年ぐらい通院している。

小説『サブロウの冒険』2020.2.4.
徳村慎


2020.2.4.
「図書館は冒険の国だらけ」

サブロウのところへパンダがやって来て、何年になるだろう?

たしか、サブロウが25歳になる前だった気がする。
25歳前後でギターを買い、パンダとカバのぬいぐるみを買い、自分のためだけに小説を書き、絵もノートに書いていた。
今、サブロウは41歳。今年の10月で42歳になる。

パンダ「おーい。サブロウ。夢の世界に行かないか?」

サブロウ「夢の世界かぁ。最近、学校とか図書館の夢をよく見るよ」

パンダ「ははあ。図書館と学校は、同じものだ。知識に飢えているんだよぉ」

カバ「おい、サブロウ、パンダの言うことなんか当てにならねぇぜ。だってこいつ、ヒマになったら、自分のことを神様だって言ってるんだ」

パンダ「だって神様だから」

カバ「はいはい。分かりましたよ。で、夢の世界にどうやって行くのさ?」

パンダ「お前が古本屋で買ってきた小説にお札がはさまってたろ?……それを枕の下にしけば夢の世界に行ける」

サブロウ「へえ。……って、それって単に普通に夢を見てるだけじゃないの?」

なんで、ぬいぐるみがしゃべるのかって?
なんででしょう?

サブロウ「なぁ。この押入れ、変だよ?」

カバ「お札を持ってるから、夢の世界への入り口が出来たんだな。よし。行ってみるか」

押入れの中に入ると、洞窟につながっていた。
洞窟を抜けると、そこは、学校の美術準備室の金庫だった。ソファや使わなくなった石膏像にキジの剥製(はくせい)。

美術準備室を出ると、階段がある。レンガ作りの階段だ。階段をおりて、次の階段をのぼって、職員室のような場所だ。いや、研究室かもしれない。廊下にも大判の本がある。積み重なった本の山。

そして図書室へ。
僕(サブロウ)は子供の本を借りたいという欲求がある。
子供の頃に見た大判の本。いや、それは、見間違いだろうか?
子供の頃は本が大きく見えるものだ。
だとすると、僕は夢の世界で子供になっているのか。
僕は青いリュックを下ろして中身を確かめる。
パンダとカバのぬいぐるみが入っている。
つまり、この世界は僕は子供なのだが、25歳で買ったぬいぐるみを持っている世界なのだ。

変な時間軸だ。
いや、だからこそ面白い。
昔見た夢に『ゲゲゲの鬼太郎』の続編が出てきた。それらしき本も現実世界では手に入れた。
だとすると、あれは予言の夢、、、予知夢だったのか。
*ちくま文庫版の『ゲゲゲの鬼太郎』を18歳ぐらいで買っていて。角川文庫版をアラフォーで手に入れた。

明日は仕事だ。というよりも留守番だ。宅配便がやって来る。夢の世界で眠ると現実世界で起きることになる。

図書室(あるいは図書館)で眠ってしまいたいという気持ちになった。また、この部屋、図書室に戻ってこられるだろうか?

実はこんなことを言うと叱られそうだが、『銀河鉄道999』はネットの漫○村で読んでいた。全てを読む前に閉鎖されてしまった。閉鎖というかアクセス拒否というか。異例の事態だったという。漫画の著作権への対応。結局、『銀河鉄道999』は、いずれ買おうと思っているのだから、許してくれないだろうか?

パンダ「サブロウ、気に病むことはない。今、『ゲゲゲの鬼太郎』に匹敵するのが途中まで読んだ『銀河鉄道999』だと考えてるんだろう?」

カバ「パンダぽん、夢の中だからか、文法が怪しいぞ」

サブロウ「僕は、この本の山から、大切な本を探さなきゃならない気がするんだ」

パンダ「大切な本に出会っているのか、出会っていないのか、よく考えなきゃいけない」

カバ「そうさ。神様の言うとおり!」

パンダ「パンダは神様なんだよ。ぺかー」
(と光り輝くパンダのぬいぐるみ)

サブロウ「『ガリヴァー旅行記』は999(スリーナイン)に似てるなぁ。いや、似てないのか?
鬼太郎とガリヴァーは似ている。。。
いや、似てないのか?」

カバ「旅するところは似ているかもな。鬼太郎は旅して妖怪を退治して、、、。ガリヴァーは漂流して新たな国の習慣なんかを知る。。。999は新たな惑星での出来事。。。」

パンダ「サブロウは、鬼太郎とガリヴァーを合わせたような小説が書きたかったんだろ」

サブロウ「そうだよ。ついでに言うなら『釣りキチ三平』とかもね」

カバ「あとは『サバイバル』だろ。さいとうたかを、の」

サブロウ「鬼太郎の旅は野宿だったりするからなぁ。そこを切り取ればサバイバルだし。新たな地方へ行くことを考えればガリヴァーかもしれないなぁ」

そういえば、(現実世界の)台所でゴキブリがひっくり返っていた。まるで、黒猫のハッピーちゃんの霊がやったみたいに。

母は時々、言うのだ。
アルフ(黒犬)の生まれ変わりがミー(三毛猫)で、ミーの生まれ変わりがハッピー(黒猫)ちゃんで、ハッピーの生まれ変わりがトト(灰色ウサギ)ちゃんなのだと。

霊魂は、5つにも6つにも分裂するならば、今でも、ハッピーちゃんの姿は生きていると思ったりするのだ。

パラレルワールドの夢の世界では、分裂した霊魂が再び結びついたりもしているんじゃないだろうか?

サブロウと名前をつけたのは、釣りキチ三平から来ている。3とは、トリニティ。三位一体(さんみいったい)なのだ。父と子と聖霊。

ごめん。嘘です。釣りキチ三平から来ているのは、本当だけど、三位一体は言いすぎた。

図書館の本の中の世界にいろいろと迷い込んでいたみたいだ。

図書館は図書室であり、熊野市の図書館でもあり、学校の図書室でもあり。

そろそろ戻るとするか。
図書室から、美術準備室へ。美術準備室の金庫の中の洞窟へ。そして洞窟は、僕(サブロウ)の部屋の押入れにつながる。

今、僕は、布団の中にいる。
図書室は本がたくさんある。それだけの冒険できる国があるということだ。


ボイラーの音がする。夜の静けさ。そして、、、あれは車のエンジン音か?
車が今、走り抜けていった。
その車とは別の車だ。

パンダとカバは、「キキキのキ」と笑った。


「図書館は冒険の国だらけ」(おわり)

最後まで、読んでいただきまして、、、
ありがとうございます😊