徳村慎
*これ詩なのかな?……まあいっか。
女:教えてほしいです(と言われて)
男:教えられません(と答える)
女:教えてくれない理由はなんですか?
男:僕はドラムがヘタクソだから
女:教えたくないんですね?
男:教えられないんです
女:困るんですよ
男:何が?
女:1週間後に勝負しなきゃいけないんです
男:音楽は勝負の道具じゃないと思います
女:勝負を受けてくれませんか
男:僕にですか?
女:はい
男:嫌です
女:どうしても嫌ですか?
男:はい
女:あなたは負けたと言いふらしますよ
男:どうぞご勝手に
女:いいんですね?
男:どうぞ
女:それじゃ困るんですよ
男:僕は別に困りませんが
女:こっちが困るんです
男:そんなこと知りませんよ
女:うちの子はプロを目指しているんです
男:へえー。すごいですね
女:だから今から経験を積ませたいんです
男:どこかよそでやってください
女:べつに軽く手合わせしてくれれば、
いいんですよ
男:嫌です第一、ここでドラムを叩くと、
うるさくて苦情が来ますよ
女:今スティックで道のアスファルト叩いてるのがたぶんうちの子です、
プロになれますかね?
男:さあ?
僕はプロじゃないんで
女:うまいと思いませんか?
男:あのていどで?
女:あなたは叩けるんですか?
男:さぁ?
女:口ばっかじゃないんですか?
男:まあ、そうかもしれません
女:勝負すれば、
どっちがうまいか分かりますよ
男:そうですか
女:勝負しますよね?
男:しません
だいたい、なんで僕に教えてほしいんですか?
女:あの、家が近所なんです
それでタンバリンみたいなのを叩く音が聴こえてくるので
男:ストーカーみたいですね
女:それもこれも全部子供のためなんですよ
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最後まで、読んでいただきまして、、、
ありがとうございます。
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