徳村慎
『奇岩と悟り』
精霊は惑わすことなく貝の中から出たり入ったりしている。海の精霊なのだろう。奇岩は鬼を表す。つまりは鬼ヶ城なのだ。そこで悟りを開くのは1人の僧。男として描いたが、女でも通用する表情だ。尼かも知れない。鬼のような荒々しい奇岩の上でしか悟りは開けなかったのだろう。また、それを僧(尼)は望んだのかも知れない。
奇岩、鬼ヶ城は、三重県熊野市に実際にある場所。荒々しい海に面していて、波が削った岩がえぐれている。
海の精霊が悟りをもたらしたのか、悟りを妨げるものなのか。お好きな方を選んで下さい。
