小説『オレ、トマト』14 | まことアート・夢日記

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夢日記、メタ認知、俳句モドキ、詩、小説、音楽日記、ドローイング、デジタルペイント、コラージュ、写真など。2012.1.6.にブログをはじめる。統合失調症はもう20年ぐらい通院している。

小説『オレ、トマト』14
徳村慎


秋刀魚が氷の美少女にフラれた。
オレたちは舟の上だ。ちょっと気まずい。

秋刀魚が言う。
「わい、死んじゃおっかなぁ?」

トマトが言う。
「なんで?
なんで死んじゃうの?」

秋刀魚が言う。
「だってえ。生きててもしょうがないっしぃ」

カラスが言う。
「こいつ、フラれたぐらいで死ぬのカー」

秋刀魚が言う。
「べっつにぃ。フラれたからじゃないんだよ?
なんとなく虚しくなっちゃってさ」

カッパが言う。
「だから、フラれたからじゃないか」

秋刀魚が言う。
「ちっ、違うよぉ。たぶん違うよぉ」

トマトが言う。
「ズバリそうだろうがよぉ!」

秋刀魚が言う。
「違うよぉー」

氷の美少女が言う。
「気にしてませんよね?」

秋刀魚が泣きながら言う。
「ゔん」

トマトが言う。
「こんな時のために飲み物持ってんだ。
ブルーカウ翼をさずける」

秋刀魚が言う。
「それを言うならレッドブルだろぅ?」

トマトが言う。
「ごめん。本当は飲み物なんて持ってないんだよ」

秋刀魚が言う。
「こいつ、ウソつき。超ウソつき!!
もう、死んでやるー!」

ドボン!
秋刀魚が川に飛び込んだ。

カッパが言う。
「待て!
おいらも行く!」

ドボン!
カッパも川に飛び込んだ。







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