小説『オレ、トマト』13
徳村慎
舟に上がって来たのは河童(カッパ)だった。
トマト、秋刀魚、氷の美少女、カラスが叫ぶ。
「カッパだあぁああああぁっ!」
カッパが言う。
「ああ。そうだよ。おいら、カッパだよ。文句あんのかよ?」
トマトが言う。
「文句はないです。ってかカッパっているんですねー?」
カッパが言う。
「ツチノコもいるよ。ヒバゴンもいる。クッシーもいる」
トマトが言う。
「マジっすか?」
カッパが言う。
「マジだよ」
トマトが言う。
「ネッシーは?」
カッパが鼻をほじりながら言う。
「知らん」
氷の美少女が言う。
「太陽が高くなってきましたね。私、溶けちゃうのかな?」
秋刀魚が言う。
「たぶん、大丈夫だよー。たぶんー」
カラスが言う。
「ホンマにカー?」
秋刀魚が言う。
「わい、氷の美少女ちゃんのことが好きやぁー!」
トマトが言う。
「と、突然の告白ぅ?」
秋刀魚が言う。
「守るべきものが無い人って、モロいよなぁ。すぐにボロボロになって立ち直れないよなぁ。トマト、お前がそうやで」
トマトが言う。
「た……確かに。こんな人のウワサを聞いたことがある。
東京に行った時に、楽器屋にも入ったんだけど、実際の楽器を触ってみると、イメージと違って、iPhoneのiOSアプリの楽器の優秀さに驚いたってさ。
その人が言ってたんだよ。
オレって守るべきものがないなぁって」
秋刀魚が言う。
「だろー?
だから、わい、愛の告白をするっ。
氷の美少女ちゃん、付き合ってー!」
氷の美少女が言う。
「タイプじゃないので、ごめんなさい」
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