小説『オレ、トマト』13 | まことアート・夢日記

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夢日記、メタ認知、俳句モドキ、詩、小説、音楽日記、ドローイング、デジタルペイント、コラージュ、写真など。2012.1.6.にブログをはじめる。統合失調症はもう20年ぐらい通院している。

小説『オレ、トマト』13
徳村慎


舟に上がって来たのは河童(カッパ)だった。

トマト、秋刀魚、氷の美少女、カラスが叫ぶ。
「カッパだあぁああああぁっ!」

カッパが言う。
「ああ。そうだよ。おいら、カッパだよ。文句あんのかよ?」

トマトが言う。
「文句はないです。ってかカッパっているんですねー?」

カッパが言う。
「ツチノコもいるよ。ヒバゴンもいる。クッシーもいる」

トマトが言う。
「マジっすか?」

カッパが言う。
「マジだよ」

トマトが言う。
「ネッシーは?」

カッパが鼻をほじりながら言う。
「知らん」

氷の美少女が言う。
「太陽が高くなってきましたね。私、溶けちゃうのかな?」

秋刀魚が言う。
「たぶん、大丈夫だよー。たぶんー」

カラスが言う。
「ホンマにカー?」

秋刀魚が言う。
「わい、氷の美少女ちゃんのことが好きやぁー!」

トマトが言う。
「と、突然の告白ぅ?」

秋刀魚が言う。
「守るべきものが無い人って、モロいよなぁ。すぐにボロボロになって立ち直れないよなぁ。トマト、お前がそうやで」

トマトが言う。
「た……確かに。こんな人のウワサを聞いたことがある。
東京に行った時に、楽器屋にも入ったんだけど、実際の楽器を触ってみると、イメージと違って、iPhoneのiOSアプリの楽器の優秀さに驚いたってさ。
その人が言ってたんだよ。
オレって守るべきものがないなぁって」

秋刀魚が言う。
「だろー?
だから、わい、愛の告白をするっ。
氷の美少女ちゃん、付き合ってー!」

氷の美少女が言う。
「タイプじゃないので、ごめんなさい」




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