感想『告白』湊かなえ2017.8.14. | まことアート・夢日記

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夢日記、メタ認知、俳句モドキ、詩、小説、音楽日記、ドローイング、デジタルペイント、コラージュ、写真など。2012.1.6.にブログをはじめる。統合失調症はもう20年ぐらい通院している。

感想『告白』湊かなえ2017.8.14.



1.『告白』


映画版で観てたけど、小説の方が良かった。映画は映画で面白かったけど、小説を読むと映画を超えていると思える。


結局は、

復讐とは、2人のマザコンに母を殺させることだったんだ。


この復讐はなかなか考えつかない方法だ。


自分の最も大事な人を殺されることを経験させる。


それは女教師が我が子を殺された復讐。


とにかく面白かった。読み手をぐいぐい引っ張っていく感じ。


学園ドラマでもあるし。大人の考えも入っているし。これは深いねぇ。


今、大切な人を失ったら、僕はガックリくるだろうなぁ。全てが灰色の世界に見えるだろうなぁ。それが自分の過失で失ったのなら、どう思うだろう?


やはり生きるのが嫌になるんじゃないのか?



2.読書の効力。



しかし、読書はパワーを生む。

どうなるんだろう?

という連続で読み終えるまで、パワーを与え続ける。


殺人事件の話が逆に、自分を生かしてくれるようなパワー。


こういう話が生きる希望を与えたりする不思議がある。



3.マザコン


さて、マザコンとはなんなのか?

ということが頭に残ってしまう。


母親の影響下で育ち、そこから自立しない男性、ということか。


うーむ。僕もそれは多少はあるような気がするぞ。


『告白』の中では、過保護な母親(学校へのクレーマー)を持つ中学生男子と、母親が立派(電子工学で大学の准教授)なのだと信じきる中学生男子がいるのだ。


日本人の家族は個人に分けられないと、心理学者の河合隼雄が分析していたらしい。共依存というのか。自分の意思みたいなものが無くても日本では生きていけるし、その方が都合が良いことが多いのだろう。海外では個人というのが確立しているから、そのぶん厳しいのかも知れない。



4.本と時代


父や母の勧めてくれた本(般若心経、論語)を読んでいた頃から僕は変わってないようにも思う。


もちろん変わってる部分はあるだろうけど、根本は変わってないのだろう。


それでも、時代は進んでいく。


いつか、僕の読む本や、聴く音楽が古くなる時もあるのだろう。


そうなった時に、この『告白』は、どうなっているんだろう?

名作として生き続けているのかも知れないし、違うのかも知れない。


それでも時々は読み返していると思える本だ。



徳村慎









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