徳村慎のブログ2017.6.29.-2
恩田陸『六番目の小夜子』を読み終わる。うーん。なんだったのだろう、この作品は。スッキリと分かる作品ではないように思う。でも、この分からない感覚が良いのだとも思う。
学園ものの形をしているけど。学園ものとは感じが違うというか。学校を俯瞰から眺めている感覚とか。いや、これは街の視点で描かれたんだとも言えるような。
難しい言葉は使われていないし、ストーリーは簡単だ。それでも難しいと思う。結局、生徒や先生も学校という容れ物の中でいるようなイメージ。この冷たさが良いのかも知れない。単純にストーリーを追えば先生が犯人だが、しかし、それは1つの点でしかないような。
でも、面白くないわけではなくて。むしろ感動すら覚えるのだが、この作品を形容する言葉が無い。ミステリーなのかホラーなのかはたまた普通の学園ものなのか。読み手にゆだねられた作品なのかも知れない。
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