感想『グロテスク』 | まことアート・夢日記

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まことアート・夢日記、こと徳村慎/とくまこのブログ日記。
夢日記、メタ認知、俳句モドキ、詩、小説、音楽日記、ドローイング、デジタルペイント、コラージュ、写真など。2012.1.6.にブログをはじめる。統合失調症はもう20年ぐらい通院している。



感想
桐野夏生『グロテスク』

娼婦。彼女達の心の闇を描き切った小説だ。僕は何故この小説を読み返したのか。図書館で借りて読んだのだが、中古の本を買って読み返したのだ。其れ程に此のグロテスクさに魅力が有るからに他ならない。本物のグロテスクとは何か。読んでも答えは出ない。其れ位、心理がグロテスクに満ちた小説なのだ。そしてグロテスクな感情が存在する此の世の最高の美人を見る者の方が悲しむのだろう。丁度、精神的に落ち込んだ時期と重なり、此の小説を読むのが嫌に成り何度も止まった。だから精神的に健康な人以外にはオススメ出来無い小説でもある。小説を読んで色々な悪い感情が溢れた自身に嫌気が差すのだ。でも、最後読み終えた時に明るく音楽に満ちて行く事を想像した僕は甘いのだろうか?……読後感は閉塞感からの解放で気持ち良いのが不思議だった。只、辿り着く迄は気持ち悪くて仕方の無い小説であるので人には進められないとも思う。軽々しく面白かったと誰かに言ってしまった記憶が有る様な気もするので少し反省している。

徳村慎








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