「オマエ、電気ノ手ヲ持ツノカ?」
娘が電気ショックを受けた左手を胸に押し付けて震えている。
オレは、どうでも良くなって答える。
「ああ。そうだ。オレの手は義手なんだよ。生体皮膚をまとっちゃいるがな…」
目を閉じると楽になる。
どうせ殺されるんだ。だったら、こんなに美しい獣人の娘に殺されるのも良いかも知れない。
「来イッ。僕ノ爺サマヲ助ケロッ!」
杉の大木の枝へとロープを切って下ろしてくれた。太いツル植物を伝って地上へと向かう。
何てこった。ここは普通の建物の10階ほどの高さがあるぜ。
オレは足を震わせながら獣人の娘に続いた。
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