熊野にある中学校の卒業式が終わった。
「桜ちゃん。これでお別れやね」
泉が涙で顔をグシャグシャにしながら言った。
「泉ちゃん。泣かんといてよ。今から新しい生活がスタートするんやで」
「桜ちゃんみたいな子と、もう一生組めん気がするわ」
「大げさな。高校行ったらレベルの高い子、幾らでも居(お)るよ」
「桜ちゃんはギター続けるん?」
「もちろんやよ。泉ちゃんは?」
「分からん。カオシレーターの初代じゃ時代遅れにねるかも。今は全く楽器いらってないんよ」
「もったいないなァ。リズム感メッチャあるのに」
「音ゲーする子ォら、もっとリズムすごいもん」
「まあ、そう言(ゆ)わんと。泉ちゃんは木高(もっこう)で頑張りなァよ」
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