嵐になりそうだと、雪男のゴンは言いましたが、ゴンと別れてからその通りになりました。雨と風が、すごい勢いで吹き荒れています。沢は増水していきます。
「この沢をたどると、まずいよ。流される」
「山へ登りましょ。谷に居れば沢の水で死んじゃうもん」
山へ登ると、至るところから水が流れてきます。
「キャッ」
みぃなちゃんが山のグラグラした石に足を乗せて転びます。そのまま谷へと滑落しました。
「みぃなちゃーん!」
ネコロビは下に広がる茶色の濁流を見ますが、みぃなちゃんの姿がありません。下流へと流されたのなら、南へと向かったはずです。しかし。生きてるかどうかとなると、全く予想ができませんでした。