『ネコロビ』165「起きたか。もう少し今日は進んどかんとな」とぶら下がりが言います。また獣道を進みます。ぶら下がりは枝から枝へ飛び移ります。その下を少年ネコロビが歩き、少年の前に出たり後ろに出たりして飛び回っているのが、妖精の美咲さんです。ぶら下がりがまた喋ります。「雪男のゴンは、こっちへ進んだに違いない。こっちや、こっち」少年ネコロビが一歩踏み出した途端、枯れ葉や枯れ枝がバキバキと折れる音がして、下にある穴へ落ちていきました。