『ネコロビ』151スピーカーから外に出て来た。ネコロビは泣いていた。「オレのせいや。オレのせいやったんや。これは夢やけど、現実よりも真実や」夢だけど現実よりも真実である。それは時に起こる。夢の中の話。泣き続けていると、ゴンがやって来た。見慣れた雪男の体で。「夢で泣くのはな、本当に心で泣いとるんや。夢で笑うときは、本当に笑っとる。良い映画は予測出来ない。それこそ真実に近いんじゃないか?」「これは夢なんか?」ラバーライトを包んでもらい、雪男のゴンはお金を払ってネコロビと一緒に店を出た。