『ネコロビ』149小さい頃のネコロビたちが言います。「ねぇ。あのゴン兄ちゃん畑のもん盗みやるんやで」「そうやで」大人たちに嘘を言います。ヨーデルを教えてもらえなかった腹いせにです。村人たちは子どもたちが畑の物を盗んでいたのに、ゴンのせいだと考えるようになりました。村人たちはゴンにつらく当たりました。「ええかげんにせえよ。畑のもん返せよ」ペッとつばをゴンの足元に吐きかけます。「お前ら、早(は)よ死ねや」「そうじゃ。そうじゃ」ゴンは那智黒石のお守りを握りしめてウケレの森へ入りました。