橋から落ちた少年ネコロビと雪男のゴン。
「オーイ。ネコロビ。大丈夫かァ?」
「ゴン兄ちゃん。蛙がいっぱい居(お)るでェ」
ゲロゲロゲロ。蛙が鳴きはじめました。
「ここは沼か?」
遠くから声が聞こえます。
「そうやでブチョー」
どうやら男女のようです。
「オーイ。そこに誰か居(お)るんかァ?」
「誰か居(お)るー?」
「ハイ。ここに人間の子どもと雪男がいます」
「ああ、子どもと雪男か。良かった。二人きりやと思ったわ」
「ブチョーと二人きりなんて誰でも嫌やでねェ」
「オレはネコロビと言います。こっちは雪男のゴン兄ちゃん」