『ネコロビ』56美しい色の蝶が飛んできました。「うわぁ。きれいなチョウチョやで」「そいつは、…美咲さん」蝶だと思ったら妖精でした。「ゴンちゃん。ひさしぶりねェ。どうしたの?あなたはキノコの林になんて、めったに近づかないでしょ」「まあな。ウケレの森の中にあるキノコの林は、なんか、おっかなくてなァ。この森の先の川にはワニが住んどるし」 「そうよね。ゴンちゃんなんかワニに食べられちゃうわよね。怖がるのも無理ないわ。さすがに、この辺になると日本の熱帯雨林、熊野って感じがしてくるものね」