『ネコロビ』21ノレンと別れて、少年ネコロビと雪男のゴンはウケレの森の中心にある湖へと歩いていく。太陽が夕陽から昼の光に変わった。「なァ。ゴン兄ちゃんは何(なん)で熊野にやって来たん?」「そりゃ最初は神の土地やいうて、母さんが旅行に来てなァ。そこで熊野で暮らしとる父さんと出会って俺が生まれたんや。俺はヨーデルも好きやが、魔法についても勉強しとってな」