「オオムカデの婆さん。ネコロビをそんな食べたいんか?」
雪男は狂気の光を瞳に宿します。
「お前ら2人でオレを殺して食べる気か?」ネコロビがそう言ってあとずさります。
「婆さん。イモリの黒焼きでカンベンしたってや」
「フン。人間の方が美味いのになァ。しゃあないわな。じゃあ猿でも皆でつつくべえか」
「ハヌマーン・ラングールだね」
「ウケレの森は深いでな。どんな生きモンも居(お)るわ」
ピリリリリリ。
「あれ?電話だ。ケータイが鳴っとる。ここ、電源入るん?ケータイの電波」
驚くネコロビにオオムカデの婆さんが教える。
「それは、死者からのメッセージじゃな」