テクノ・アッシャーの出番になった。
『サイッコーの舞台にしよう!』と桜。
『うん。本気で行くで!』と泉。
デケデケデケデケ、デケデケデケデケ。シンセベースをゲート・アルペジエータ-で鳴らす泉。
ギュアーン。12フレットから解放弦まで人差し指を押さえて滑らす桜。
ドッタッ、ドタッタッ。ドッタッ、ドタッタッ。 次々にドラムを録音していく泉。
ジャー。ズクズ、ジャーン。
思い出。「コレ、カオシレーターっていうんよ」
ジャカジャカ、タラリラ、タリラリ、ラリルー。思い出。「オオオオ。スッゲェ!泉ちゃん、私とバンド組まへん?」
ジャーン。ギターを休める桜。デケデケデケデケとベースが目立つ。
思い出。「杏やよ。ヨロシク。アンタは?」「桜」
デケデケデケデケ。ギターが入る。ズクジャー。ジャンジャッカッジャカッカッ。
思い出。「アンタらは私らジャズトリオのライバルバンドやわ」
タリラリ、タリラリ、タリラリ、タリラリ。
カオシレーターのS.E.ピュンピュン、ピュピュン。
思い出。「引き分け。よって勝負なし」
LOOP・REC/PLAYボタンを押してカオシレーターのバッキングが止まり、ピュンピュンとS.E.だけになる。ズガジャー。ギターがかき鳴らされる。
思い出。「桜ちゃん。次コンタクトにせえとか言ったら、もうバンドは解散やからね」
ズクジャー。タリラリタラッ。ズクジャー。タリラリタラッ。
思い出。「ねぇ、杏ちゃん。今のスケールどんなのなん?」
ドッタッ、ドタッタッ。ドッタッ、ドタッタッ。デケデケデケデケ、デケデケデケデケ。
思い出。「桜先輩。好きです。つき合って下さいッ!」
ジャーン。ピュン、ピュン、ピーピピピピピピ。ジャカジャー。
一曲目が終わった。