2学期がはじまった。 放課後の音楽室で声を掛け合う仲間。
「ねぇ、ねぇ、泉ちゃん、めっちゃ美白ぅー」と桜が驚く。
「どうせ私はインドア派やし」と泉。
「ホメとるんやでー」と桜。
「そうやで、今のはホメとるよねー」とアサミ。
大西先生が入ってくる。「おー。みんな集まっとるかー?」
「夏は、おもいっきりハジけたよね、軽音楽同好会」と奈々。
「うん。初ライブやったけど上手くいったんちゃう?」と杏。
「大セッション合戦でしたね」と翔。
「これからは文化祭に向けて考えてかなアカンな」と大西先生。
「いよいよラスト・ステージか…」とベースの亜衣。
「先輩たちはラストやろうけど俺らは違いますよ」と翔。
「アンタらはオマケやし」と桜。
「え゛ー?」と翔と陸。
「文化祭の全員合奏で、何(なん)かアイディアある人居(お)らんかー?」と大西先生。
「アイアン・メイデン」とアサミ。
「それアサミの趣味やろ!」と桜。
「クラフト・ワーク」と泉。
「シンセ機材が無いやろ!」と桜。
「ビートルズ」と奈々。
「ひねりが無い」とアサミ。
「じゃあ何が、ええんよ」と桜。
「アイアン・メイデン」とアサミ。
「まだ押すか?」と桜。
「マイケル・ジャクソン」と亜衣。
「それベースラインが格好ええけどさー」とアサミ。「誰が歌うん?」
「確かに」と杏とサックスの新。
「うーん。決まらんなー」と大西先生がため息を吐いた。