那智黒石(天然石)で硯を作ります。あらかじめ粗く削ってある石を、砥石(といし)や紙やすりで磨いていき、ワックスをかけて完成です。
写真は、お客様が作った硯です。丁寧な磨きで、美しい仕上がりです。
前に間違って4000万年前と書きましたが、那智黒石が出来たのは2000万年前でした。海底(大陸棚)の泥が固まったものが噴出溶岩とぶつかり、2度固まった変性岩です。
古くは、遣唐使が中国に運んだ碁石が、那智黒石ではないか、と言われています。神上石(こうのうえいし)烏翠石(うすいせき)神渓石(しんけいせき)などと呼ばれていたものが、江戸時代に那智黒石と名前を変えます。
那智黒石は、熊野の神川町神上に岩盤があり、川に削られ小さくなった石が海に出て、那智の浜に流れ着いたという話があり、熊野三山に参詣する人々が、自分たちと同じ熊野詣でをした石だということで持ち帰った…というのが那智黒石となったいわれだそうです。

