福岡の薬院大通駅から動植物園までの緩やかな

坂道は浄水通りと呼ばれている。今の植物園の

ある場所に、かつて浄水場があったことに由来

している。福岡市内で瀟洒な通りとして名高い

エリアであるとのこと。確かに建ち並ぶ個人宅

やマンションには高級感が漂っていて、けやき

並木の緑に包まれ、落ち着いた雰囲気がある。

 

 

 

 

 

マルホン福岡ショールーム 2020 

 

その浄水通りを登っていくと楕円形の建物が

見えてくる。外観や外壁の仕上の雰囲気に特徴

があり、何の建物だろうと近づいてみると無垢

のフローリングを扱うショールームであった。

 

外壁には草木染という方法で塗装された杉板が

使われている。その優しい色合と、やわらかな

楕円形の形は、周囲に圧迫感を与えることなく

周辺の並木に溶け込み、建物であることを感じ

させない、おおらか外観を形づくっている。

 

優しさに溢れたその外観は愛おしくも感じる。

情報を発信するショールームとして、外観を

通して木のよさや風合いを最大限に発信して

いると思われるそのコンセプトが素晴らしい。

 

 

 

 

 

HP インスタグラム より参照 

 

内部に入ると、建物が楕円形であることの意味

がわかる。楕円形であるがゆえに、入り口から

内壁をすべて見通すことができ、木に包まれる

という体験をすることができる。内壁には無垢

のフローリングのサンプルが全面にびっしりと

展示されいて一枚一枚手に取ることができる。

なぐり加工のサンプルにも実際に触ることが

でき、無垢の木の良さを体感することができる

 

いつか、平屋の自宅を立てることができるの

であれば、リビングには、なぐり加工の無垢の

フローリングを使ってその感触を味わいたい。

 

 

何気ない、いつものウルトラライト7(自転車)
での散策中に、ふと見かけた建物に込められた
想いに出会うことができ嬉しく思う。また建物や
風景と出会うため、せっせと街に出掛けよう。