ALSO MOONSTAR  

 

今年の6月に、福岡の薬院にオープンした

ムーンスターの新店舗である。使われてこそ

価値のあるものをつくるブランドとしての

「ムーンスター」の思想・哲学を五感で

感じてもらう旗艦店であるとのこと。

 

ALSOには、「~も」「また」「そして」

という意味の副詞、接続詞の意味合いから

履き心地を最優先し、足元を安全に支え、

主役を引き立て、暮らしに寄り添う道具で

あるという同社のスタンスが表現されている。

 

 

ムーンスターの歴史は、1873年に創業者の

倉田雲平が、久留米市につちやたび店を開業
したのが始まりである。1894年日本で初めて
足袋製造にミシンを導入。当時、ドイツ製の
最新型のミシンは上等な一軒家が買えるほど
高価なものであったとのこと。140年以上も
続く企業の創業者の先見性に感動を覚える。
 
 

 

 

 

店内は素材感に溢れている。それらの色合い

は抑えられ、主張せず穏やかに共存している。

しかし、目をこらせば、靴底を型枠とした

コンクリートの模様であったり、靴を脱いで

あがる丸石貼の床の素材感、ざっくりとした

風合いの塗装壁、床の鏝押えの温かみある色合

に壁のウォルナット色の木板がひと際映える。

靴のディスプレイも、心地よい空間を作ること

に重きを置かれ、抑制されたデザインである。

そこには、企業の理念が色濃く反映されている

 

 

一言で言い表せば、心地よい空間である。

ひと目では気づかない、素材の組み合せによる

空気感が心地よい空間を作っていると感じる。

 

 

 

 

 

 

ROAMYという商品を購入した。roamとは、

歩き回るという意味。何か特別ときではなく

普段、何もない日常にこそ履いてほしいとの

思いから名付けられている。とても履きやすく

歩くことが心地よく楽しく感じる靴である。

 

「笑顔」と「しあわせ」を提供する存在で
ありたいという経営理念に通じるものづくり
であると感じる。靴を履くということに、
幸せを感じられるということもわかる気がする