2024年映画42本目は2016年日本制作
「世界の(さらにいくつもの)片隅に」
【超ざっくりストーリー】ネタバレです
広島市から呉市に嫁いだすずは、夫・周作とその両親、出戻りの姉とその娘と暮らします。
昭和19年、まだ不慣れな呉の街で迷い込んだ遊郭でリンと出会います。
偶然、夫・周作がすずと結婚する前にリンと結婚したかったことを知ります。
周作の姉娘と歩いていると米軍の時限爆弾が爆発し、姉娘が亡くなりすずも繋いでいた右手を無くします。
子供も出来ず、右手を無くして家事も満足に出来なくなったので広島市の実家に帰ろうとしていたら、原爆が投下されます。
しばらくして実家に帰った時に戦争孤児を周作とともに呉市へ連れて帰ります。
【感想は】★★★★☆星4つ
盛り上がりやサスペンスもない2時間47分の長編だし号泣もしないけど、中弛みもなく観られちゃうぞッ!
オリジナルの「世界の片隅に」より「世界の(さらにいくつもの)片隅に」の方が40分ほど長いです。
遊郭で働く白木リンとすずとの交流を描いたエピソードが大幅に加わったらしいです。
レビューでは「今までで一番感動した!」とか「夏には毎年見たい作品!」とかの評価が多いです。
今までで一番感動したか?と言われれば多分、BEST30位には入るかな?程度の映画です。
程度って言い方はないですね。ごめんなさい。
静かで、目を背けたくなるシーンはありませんが、きっとこれが現実であったと言う重さはあります。
- 被爆してなんとか母親がいる呉まで歩いて実家の近所の公民館みたいなところで座り込んだまま亡くなった若者。黒く焦げ過ぎていて母親も座り込んだ若者を見たのに我が子とは気付きませんでした。
- 原爆で重傷を負った母親が娘の手を引いて歩いています。母親は座り込みそのまま亡くなり、変色しハエがたかっても娘は母親の腕にすがります。
「やっぱり戦争は残酷だ!戦争反対!」「夏に観て広島を思い出そう!」
って思想が入った映画ではないです。
すずは終戦の玉音放送を聞き終わり1人で外に走り出し叫び泣きます。
「自分は海の向こうから来た米や大豆で出来ているから暴力に屈しないといけないのか」
太平洋戦争と呼ばれている大東亜戦争のきっかけはこんな感じです。
自国のもので自国民が、生産し生きて行けないって、イザって時には相手の靴を舐めないと行けません。
すず役:のんちゃん。旧芸名は能年 玲奈ちゃん。
監督からの熱烈なオファーだったようです。さすが監督!
キャラクターにとても合っていました。