「改正国民投票法」と高校生の選挙権
2014年6月13日「改正国民投票法」が成立しました。その中で、公職選挙法の選挙権年齢の引き下げは「速やかに法制上の措置を講ずる」と明記されていると報じられています。これによって高校生が選挙権を行使する可能性がでてきました。いままで、学校で選挙が語られることはなく、そのことが若者の政治への無関心さを醸成してきた一因ではないかと考えます。
そこで、いま、危惧することは、地方公務員である先生の立場です。「公務員の個人的な意見表明と賛否の勧誘は容認」とされていますが、はたして教師という立場で生徒に対して「個人的な意見表明」が容認されるのでしょうか。おそらく、教育委員会は、教育基本法14条2項で、「特定の政党の支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない」を根拠にして選挙についての学習を禁止するでしょうしかし、教育基本法が禁止しているのは、あくまで「特定の政党」についてであって、「すべての政党」の政策を検討することはなんら問題はないでしょう。しかも、教育基本法14条1項は「良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない。」としています。若者の未来を若者自身が決めるために自由な意見の交流は、積極的に学校は保障する必要があります。
しかし、いま、学校で政治的教養を学ぶことが一般的には脇に追い遣られていいます。かって、大学生の政治への関心が最も高まった1960年代後半の大学紛争、そして1969年には高校紛争がりました。しかし、文部省(当時)は、学校の政治的中立性確保や発達段階を理由にして、高校生の政治活動を規制することを学校に求め「高等学校における政治的教養と政治活動について(通知)」(1969年)を出し、その後、高校紛争は終息しますが、学校では「政治的中立性」が「歪曲」され、政治問題に触れることがタブーになり事実上、政治教育は「禁止」されたに等しくなったのです。したがって、いま、政治教育不在が、若者の政治的未成熟をもたらしているのでしょう。
世界的には、2002年4月の調査で、下院(衆院)選挙の選挙権を18歳以上としている国は約140カ国に上り、いわゆる主要8カ国(G8)の中で選挙権が20歳以上は日本だけです。その経緯は、欧米諸国では大学紛争やベトナム戦争で揺れた60~70年代に兵役に就いている若者には選挙権を与えるべきだという考えが広まって、選挙権年齢が18歳になったというのが一般的見方です。
いま、選挙年齢を引き下げる理由として考えられるのは、少子高齢化によって労働人口が減少し、少しでも税負担ができる人口を増加させようということがあるのかも知れませんが、欧米の経緯から考え、しかも「集団的自衛権」が緊急の課題になっているとき「兵役義務との関係」も無視でないのではないでしょうか。そのために、高校生の選挙権を実り多いものにする必要があります。