「改正国民投票法」と高校生の選挙権

 

 

2014613日「改正国民投票法」が成立しました。その中で、公職選挙法の選挙権年齢の引き下げは「速やかに法制上の措置を講ずる」と明記されていると報じられています。これによって高校生が選挙権を行使する可能性がでてきました。いままで、学校で選挙が語られることはなく、そのことが若者の政治への無関心さを醸成してきた一因ではないかと考えます。

 

そこで、いま、危惧することは、地方公務員である先生の立場です。「公務員の個人的な意見表明と賛否の勧誘は容認」とされていますが、はたして教師という立場で生徒に対して「個人的な意見表明」が容認されるのでしょうか。おそらく、教育委員会は、教育基本法142項で、「特定の政党の支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない」を根拠にして選挙についての学習を禁止するでしょうしかし、教育基本法が禁止しているのは、あくまで「特定の政党」についてであって、「すべての政党」の政策を検討することはなんら問題はないでしょう。しかも、教育基本法141項は「良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない。」としています。若者の未来を若者自身が決めるために自由な意見の交流は、積極的に学校は保障する必要があります。

 

しかし、いま、学校で政治的教養を学ぶことが一般的には脇に追い遣られていいます。かって、大学生の政治への関心が最も高まった1960年代後半の大学紛争、そして1969年には高校紛争がりました。しかし、文部省(当時)は、学校の政治的中立性確保や発達段階を理由にして、高校生の政治活動を規制することを学校に求め「高等学校における政治的教養と政治活動について(通知)」(1969年)を出し、その後、高校紛争は終息しますが、学校では「政治的中立性」が「歪曲」され、政治問題に触れることがタブーになり事実上、政治教育は「禁止」されたに等しくなったのです。したがって、いま、政治教育不在が、若者の政治的未成熟をもたらしているのでしょう。  

 

世界的には、20024月の調査で、下院(衆院)選挙の選挙権を18歳以上としている国は約140カ国に上り、いわゆる主要8カ国(G8)の中で選挙権が20歳以上は日本だけです。その経緯は、欧米諸国では大学紛争やベトナム戦争で揺れた6070年代に兵役に就いている若者には選挙権を与えるべきだという考えが広まって、選挙権年齢が18歳になったというのが一般的見方です。

 

 いま、選挙年齢を引き下げる理由として考えられるのは、少子高齢化によって労働人口が減少し、少しでも税負担ができる人口を増加させようということがあるのかも知れませんが、欧米の経緯から考え、しかも「集団的自衛権」が緊急の課題になっているとき「兵役義務との関係」も無視でないのではないでしょうか。そのために、高校生の選挙権を実り多いものにする必要があります。

 

 

若者の選挙離れと校則




 学校、特に高校には様々な校則があります。頭髪、服装など身体の自由に関わるものから日常での些細なことまで校則は規定しています。かって、ある高校で、男子生徒がズボンのポケットに手を入れて歩くのはみっともない見っともないということでズボンのポケットを縫いつける指導がされたといいます。そのような校則に対して生徒が廃止を要求しても学校は職員会議決定という「壁」で阻み校則が変えられることは望めません。そのような中で生徒は、校則を変えようなどとは考えず適当に「遵守」しているほうがが楽だと考える心性が作られてしまいます。

今回の選挙でも若者の無関心が多く指摘されていますが、若者は校則で培われた心性から投票したことで自分の意思が反映されるとは考えにくいのではないでしょうか。

いま、国民投票法にともなって、選挙権が18歳になるようですから、高校生が選挙への認識を深めることは大切ですが、その前に校則を検討し生徒たちの要求をできる限り受け入れ、校則が変わることを実感することが、投票する意義を知りことになるのではないでしょうか。政治教育ももちろん大切ですが、その前に生徒が自分たちで決めることができる学校にすることも大切でしょう。

部活動での専門的指導力不足は当然の帰結


日本体育協会の調査で部活動での指導体制が脆弱であることが浮き彫りになったと報じられている。(2014.7.8)

中・高の運動部の指導者半数近くが保健体育の教師ではなく、その競技の経験のない教師が担当していることが明らかになったという。

しかし、この結果は当然の帰結ではないだろうか。指導者、多くは一般的にその学校の教師が担当している。その教師は部活動については、何ら指導力は問われないで赴任してくるし、教員免許状は部活動の専門性は問うてはいない。したがって、ある意味「素人」が、何とか指導しているのが現状であろう。

先日、中学校の教師をしている教え子にあって愕然としました。まさにセブン・イレブンの勤務で過労死にもなりかねない状況である。公立学校では「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」(「給特法」)という法律で、給料の4%が支給されている。これは、生徒の実習、修学旅行、職員会議、非常災害時以外は超過勤務をさせてはいけないという法律だが、部活動は、この4項目に含まれないし何よりも部活動は教師の本務ではない。ところがこのことが全く無視され、歯止めがなく、部活動など無定量に超過勤務が行われている。

さらにいま、「働き方の多様なニーズに対応」し「自律的な働き方」を保障するという名目の下に、一部の労働者に労働時間制の適用を除外するホワイトカラー・エグゼンプションの導入が検討されている。「給特法」は、数十年前から、このような制度の先取りをすでに行っているのでは、ないだろうか。

今後、部活動は、放課後その学校の教師ではなく「第三セクター」的に専門の指導員が、その学校のグランドなどを利用して保険料などを聴取して指導する。教師は部活動から手を引き本来の教科指導に専念する体制をとるべきである。現在の教師に研修などで部活動の指導力量アップを試みなどという方策は教師を過労死に追いやり、学校教育を疲弊させるだけです。