▩ たつみ演劇BOX 西成結劇場 2024.05.21 | 紀州屋良五郎 ☆大衆演劇・上方芸能☆情報系ブログ

紀州屋良五郎 ☆大衆演劇・上方芸能☆情報系ブログ

☆ 大衆演劇・上方芸能・映画評☆情報系ブログ

☆ まいどおおきに〜観劇メモでおます

 

☆ ゲスト出演  嵐山瞳太郎

☆ 特選通し狂言『弥太郎笠』

☆ ラストショー『飲めや歌えや踊れや騒げ』

 

〇 初めて来た、西成結座。オープン前からずっと進捗状況を見ていた。大阪の大衆演劇最激戦区は西成浪速区、劇場はこの劇場を入れて6つ。まさか、新しい劇場が出来るとは思わなかった。

 

 

 

 

 

 

〇 通りかかるたびに完成する前から気になり外観を眺めていた。

想像していたより見やすい劇場である。大阪の大衆文化発展のため、大繁盛を願う。

 

 

 

 

 

 

 

〇 この界隈といえば、スーパー玉出の創業の地、上方落語・先代桂文枝さんのご自宅があった場所でたくさんの落語家達が通った縁の場所だ。かつてあった老舗喫茶店ピエロは文枝師匠や谷村新司、憂歌団の木村充揮などが常連だった。残念ながら閉店した。

 

 

 

〇 特選通し狂言 嵐山瞳太郎主演  『新・弥太郎笠』

 

《 配役 》

音松‥小泉ダイヤ

清太‥小泉ライト

茣蓙屋長兵衛親分‥宝良典

丑松‥愛飢男

新吉‥小泉たつみ

旅人・弥太郎‥嵐山瞳太郎

母‥辰己小竜

ほか

 

清太が凶状旅から戻り、女と添いたい、ついては堅気になりたいと親分に切り出す

ところから、話ははじまる

 

ところがその女、かねてより親分が目を付けた女、許せないと怒る。

清太は好いた女を親分に取られた腹いせにヤモリの毒をお茶の中に仕込む

 

見かねた親分、あげくは去って行った清太の命をとれと音松に命じる

 

そこまでしなくても良いだろうと言う音松に

「お前を子供の時に拾って 今日まで面倒みたのは誰だ!」

と言われ 恩義のためとこれを引き受ける

 

そこへ現れたのが新吉、音松には信用できないところがあるから、新吉を親分の名代に出す

だが、まだ信用できない、あの3人は三羽がらすというほど仲が通じている

だから心配だ。

 

しつこい親分、そこへ現れた旅人に念押しに、重ねて頼む用心深さ

 

このあたりの狂言回しは愛飢男、話がわかりやすい。

 

さっそく、一宿一飯の恩義に報いる為と旅人が加勢する

3人は互いにかばい合い、清太を逃がし、新吉も出奔するも手加減加えて逃がしてやる弥太郎。

 

そこへ現れた、親分一行、子細を聞き裏切りを察知する。旅人まで、裏切りヤガッタな。

 

『裏切ったんじゃない 表返ったんだよ』

有名な大衆演劇のフレーズだ。ゲストの瞳太郎がきらりと光るシーンだ。

 

場面かわり  信州  母の家  紅緒の伝八笠の店

 

☆ 巧みな小龍のセリフが啖呵を切るように跳ぶ、どんな役でも冴え渡る稀代の女優だ。

 

弥太郎はここに亭宿していた。いつの間にか娘お花といい恋仲になっていた。

そこへ、弥太郎を探して来た浪路という女官、若様である弥太郎を尋ねてきたが、覚悟の墨を見せられて覚悟の確かさに怯む。

 

追い返えそうとするも‥昔を邂逅する弥太郎

 

そうこうしているうち、信州にやってきた清太、ここでばったり再会した音松、ともにキズついた身だ。

 

親分に母や兄貴まで殺められ無念ならない清太。

帰ってきた弥太郎が全てを見聞きし、無念晴らすため一人、長兵衛一家に殴りこむ

 

思えば、この音松は14の時から育てられた恩義が身に刻まれている。その恩義に報いる為、一太刀ふるい後事を弥太郎に託して死んでいく。

 

生みの恩より育ての恩、恩に報いるため自死を選ぶのも男の美学か。

現代の夫婦、子育ての鑑としたいところだ。

 

約80分の熱演。

 

〇 口上挨拶  小泉たつみ

・女性心をくすぐる巧みなユーモアセンスとトークは色あせず

・弥太郎笠の来歴と雑感をいろいろと。

・芝居への思いと造詣に敬服する座長

 

【画像】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今公演のスタッフ 他ゲスト多彩

中でも楽しみなのは、初コラボである劇団美山・里美たかしとの競演

それにしても、劇団美山はアメーバーのように大衆演劇界を席巻する動き、まったく、目が離せない。かつての近江飛龍を超える勢いを感じる‥

 

〇オールスタッフ

小泉たつみ  小泉ダイヤ

小泉ライト 愛飢男 小泉夢有蝶

辰己小龍  辰己花 辰己満月 

辰己和たる 辰己紫優 辰己五十鈴 

辰己鯉太郎 宝良典  辰己龍子 

西成結劇場 

恋川純

 

 

大衆演劇の教科書的劇団、三姉弟が織りなす伝統と創造の舞台・紀州屋良五郎