北陸新幹線の開通に伴い、日本海との距離がぐっと縮まった。10月に行く社員旅行の行き先は、既に金沢と告げられていたのだが、先日部下達からお祝いでもらった老舗旅館の宿泊チケットも能登半島だったので、皆より一足早く下見も兼ねて、初の「新幹線かがやき号」で家人と共に訪れる事とした。

日本海を見るのは人生2回目。初めて見たのは社会人間もない頃の夏休みに、一人新潟に思い立ってあてもなく車で出かけた時以来である。その時の印象は、残念ながら海岸線に沈む夕日が綺麗だった事くらいしか思い浮かばないが、今回はある程度下調べもした上で、能登半島の特徴のある3つの海岸を見てみようと考えていた。



まずは、その昔土地の娘と若い船乗りとの悲恋物語が伝えられ、砂浜を歩くとキュッキュッと泣くような音がする「泣き砂の琴ヶ浜」を訪れた。石英粒という鉱物の含有量が多いために起こるらしいが、実際言われた通りのすり足で歩いてみても、イメージするような音は残念ながら聞こえてこなかったかお。まあメルヘンチックな気分が味わえたとしておこうか。


次に訪れたのが、実は今回もっとも楽しみにしていたスポットで、日本の小貝三名所の一つと言われている「増穂ヶ浦」である。 何を隠そう損なオヤジの隠れた趣味は、貝がら拾いなのであった。これまでもハワイやグアム・沖縄なんかに行った時、必ずや貝がら拾いの時間を作っていて、朝方砂浜の散歩に行ったまま、2時間近くも戻らずに呆れられた事もある。いつもターゲットとするのは「タカラ貝やウノアシ」なのだが、増穂ヶ浦はふだんめったにお目にかかれない「さくら貝」が有名だという事だったので、Yahoo!で画像検索したりして、出発前からワクワクしていた。いよいよ念願の砂浜に到着してみると、海水浴シーズンを終えた秋の海岸は、地元の漁業者らしき年配の男女が、ポツリポツリと目に付く程度。そんな事などお構いなしとばかりに、腰をおろして地面に目を凝らして見る目。後から知ったのだが、さくら貝は冬場に多く打ち寄せられるそうで、今の時期は言わばシーズンオフ。Yahoo!で見たような、浜一面宝石のように散りばめられているシーンを目撃する事はなかったのだが、小一時間かけて二人の意地と根性と集中力で、ガラスの小瓶2つに思い出といっしょに詰め込む分くらいは拾い集める事が出来たニコニコ音譜



能登半島巡りのトリは、日本で唯一車走行車が可能と言われる「千里浜なぎさドライブウェイ」である。波打ち際の砂浜約8kmを海風を感じながらするドライブは、まさに気分爽快! 海好き・車好きの輩にはぜひ一度体感していただきたい、自然の無料アトラクションであるべーっだ!チョキ






結局金沢中心の観光となるらしい社員旅行の下見にはほとんどならなかったものの、見知らぬ土地で、ほぼ予定していた通りの体験が出来た事は、大きな財産とリフレッシュになった。そしてやはりこの土地に来て口ずさみたくなるのは、石川さゆりの名曲「能登半島」である。50半ばで知った能登半島旅情。都会の喧騒を忘れ、秋を感じるには最適のスポットであった。

音譜 『50半ばの恋知らず 50半ばで恋を知り あなたぁあなた訪ねてぇ 行くぅ旅は 夏から秋への能登半島 』音譜
                       ~by 石川さゆり ~