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ぽーぽきです。


たまねぎ

ヒガンバナ科ネギ属



2024年6月の作品。


学名のAlliumアリウムは、ネギ属の総称です。

お花屋さんでは、葱坊主のような見た目のお花が、アリウムとして販売されています。

茎を切ると、ネギのような香りがします。


たまねぎはシンプルなようで、いざ描くとなると、皮の色のグラデーションや、透けて見える内側の緑色、薄皮の感じをどのように表現するか、という技術が必要となります。


奥が深いです。


ひとつ良いことは、収穫、乾燥されているため、見た目の変化が少ないので、じっくり描けるということでしょうか。



さて、この作品はといいますと、今から200年以上前に、ジョセフ・ヤコブ・リッター・フォン・プランクという人が描いたものです。

オーストリアの医師であり、博学者です。


18世紀後半ごろに出版された「薬用植物図譜」全8巻のうち、7巻までを、彼が手掛けました。



これは、彼が描いたビーツです。

一枚の絵に、全草が描かれていて、茎の断面もよく分かるように示されています。


これらの作品は、全国で巡回展示をされていた「英国キュー王立植物園 おいしいボタニカル・アート展」で展示されていたものです。


昨秋、広島県立美術館に観に行きました。




そしてこれが、その図録です。




イギリスの歴史や文化を、「食文化」という視点から見ることができ、植物画をはじめ、食器や書物などの展示があり、興味深いものでした。


わたしが初めて出会った植物画も、10年ほど前に東京上野の展覧会で観た、英国キュー王立植物園のものでした。


細密で、学術的にも、芸術的にも優れた作品たちに感動したことを覚えています。


10年以上経って、自分が植物画を学ぶことになるとは予想していませんでしたが、あの時種が蒔かれたのだなぁと、今となって思います。


興味の種は、周囲の環境の変化を感じて、発芽のタイミングを計る植物のように、最良のタイミングで、発芽するのかもしれません。


これから、どのように育っていくのでしょうか。楽しみです。


きょうもよい一日でありますように。