これは今年95歳になった夫の祖母から教わった話です。
終戦直前と直後、乳飲み子を抱えたお母さん達は、
食べ物も満足に無いので母乳が出ず苦労したそうです。
おばあちゃんもその一人でした。
配給でエバミルク(無糖練乳)が少しもらえたけれど、
それをお湯に溶いただけで赤ちゃんに飲ませると、ひどくお腹を壊してしまいます。
そこでおばあちゃんは、すり鉢でお米を細かくすり
(お米も貴重だからご飯だけでは炊けないので、家族のご飯は混ぜ物有り。
それで赤ちゃんには適さないので、ご飯からではなく炊く前のお米を少量使ったそうです)
そこに少しずつ水を足しよく混ぜながら煮て、
赤ちゃんが飲めるまでのかなりゆるい粘度に薄め、
エバミルクをほんの少しだけ混ぜて、ミルクの代わりに使ったそうです。
近所の子で、エバミルクを薄めただけのミルクを飲んでいた赤ちゃんは
下痢をするのでなかなか大きくならず
(作り方を教えるんだけど、そこのお母さんはやろうとしなかったんですって)
おばあちゃんの息子は丸まると大きくなっていくので、母乳が出ると勘違いされて
危うくエバミルクの配給を止められそうになったんですって。
その時赤ちゃんだった息子さん(夫の叔父です)
すくすく元気に大きくなって
今では孫4人に囲まれる幸せなおじいちゃんになっています。
震災に遭われて、今まさに大変な思いをされているお母さんたち。
ずっとずっと応援しています。
同じように子を持つ母として、これからもずっと応援し続けます。
空襲警報が鳴り響く中、先に生まれた4歳と2歳の娘達だけ防空壕に行かせ
泣き叫ぶ赤ちゃんに代用ミルクを飲ませながら、真っ暗な家の中で死を覚悟した
若い母親だったおばあちゃんも、今は10人のひ孫がいる幸せなおばあちゃんです。
「あの頃は大変だったんだよ...。」と、
孫の嫁である私に昔話を聴かせてくれるおばあちゃんです。
そういう穏やかな日がきっと来ます。
その日が1日も早く訪れるように、ずっと応援していますね。