娘ピョンちゃん(もうすぐ6歳)は、
自転車を補助無しで乗れるように練習中です。
でも、ちょっと練習しただけで
「もうやだ~、やめる~。」
と言って諦めてしまいます。
近所の子がすいすい自転車に乗っているのを見ると
負けず嫌いのピョンちゃんは、できない自分が悔しくってやめたくなるのです。
そんな時無理強いはしませんでした。
「あ、そ~。じゃあ自分で片付けてきなさいね~。」
とだけ言っておきます。
練習しなければ、いつまでも乗れるようにはならない事。
悔しいままだという事も、ピョンちゃんは充分わかっているから。
放っておくとまたすぐに練習したくなってきます。
その時も「自分で出しておいでね~。がんばって~。」私は手を出しません。
自転車のスタンドを外す時、コツがつかめずなかなか上手くいかないピョンちゃん。
「もう!やだ!お母さんやって!!」
やり方を実際にやって教えはしますが、ピョンちゃんに渡すときはまたスタンドを立てて渡します。
決して意地悪でやってる訳ではないんです。
「なんでやってくれないの~!?」
とピョンちゃんは怒りますが
これから乗ろうとしている自転車を、ちゃんと扱えなければ乗れるようになんてならないんです。
何度も何度も失敗して、考えて、そうやって覚えていくんです。
基本は以前教えたので、あとはもうひたすら自主トレです。
へたに口を出すとピョンちゃんは怒ります。
ピョンちゃんに教えたやり方は、
自転車にまたがり地面を足で蹴ってゆっくり進むというもの。
車体のバランスをとるのに慣れてきたら、蹴りを強くして少しずつスピードを出します。
スピードが出てきて安定したら、ペダルをこぎます。
この方法『ぼくちゅう』で読みました!
親がずっと支えてなくても良いので、私は楽チン。
自分一人で黙々とやりたい娘にも向いていたみたいです。
昨日も、練習でした。
何度かやってコツがつかめてきたのでしょうか?
「お母さん!もうすぐできそうだから見てて!」ピョンちゃんが叫びます。
庭仕事の手を休めて、私が見ているのを目の端で確認すると
すごい真剣な顔でペダルに足をかけようとしていました。
ちょっと見ていない間にそこまで行っていたんだね。
ペダルをこごうとすると、ハンドルがふらふら....。
立て直せずに何度も何度も転びます。
草むらに突っ込んだり、縁石に乗り上げたり....。
でも泣きません。
こんな事で泣いていたら、もうすぐそこ、手の届きそうなところまで来ている大事なものが遠のいてしまいそうだと思ったのかもしれません。
でも遂に、ひどく転んで自転車に手を引っかけてしまいました。
指が切れて血が出ています。
そんなに深い傷ではなかったのですが、
いつものピョンちゃんなら
「もうやめる~ばんそこする~!」と言っています。
でも、昨日のピョンちゃんは違いました。
「もうなめたから治ったよ!」そういうとまた自転車に乗っていきました。
何度も転んで、汗びっしょり。
頬には泥と汗でうっすら筋が付いています。
でも、表情は真剣そのもの。
生き生きとして輝いているようです。
そして、そして....!
「ごげたよー!おかあさん!今みてたー!?」
「見てた見てた!すご~い!!」
そういっている間にも、だんだんこいでいられる時間が長くなり
遂には30メートルほど転ばずに進む事ができたのです!
こぐスピードもグンと上がって、補助有りだった時には出せなかったスピードになっています。
気持ち良さそうに風の中をこいでいくピョンちゃんの顔は、
嬉しさではちきれそうです!
嬉しくて嬉しくてもう叫ばずにはいられません。
「やっぱり自転車は
補助無しが楽しぃー!!!」
やったねピョンちゃん!
自分の力で獲得したこの経験は、きっとこれからの自信につながる事でしょう。
色んな事にぶつかった時『あの時だってがんばれた!』と、
踏ん張る力になるはずです。
子供ってすごいなぁ~、こんな風に色々できるようになっていくんだな~、と改めて感じた出来事でした。