先週の土曜日。
フレッシュ名曲コンサートヘ。

日時︰2月17日(土)15時開演
会場︰かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール

指揮︰広上淳一
演奏︰東京フィルハーモニー交響楽団
ソリスト︰北村明日人(ピアノ)
コンマス︰近藤薫
司会︰田添菜穂子

曲目
ベートーヴェン︰ピアノ協奏曲第5番『皇帝』
〜ソリストアンコール〜
グリーグ︰組曲『ホルベアの時代』より サラバンド

J.ウイリアムズ︰『ハリー・ポッターと賢者の石』“ヘドウィグのテーマ”
NHK大河ドラマ テーマ曲集
 菅野佑悟「軍事官兵衛」
 ジョン・グラム「麒麟がくる」
 吉俣良「篤姫」
 服部隆之「真田丸」(vn 近藤薫)
 稲本響「どうする家康」
スメタナ︰連作交響詩『わが祖国』より“モルダウ”
〜アンコール〜
NHK大河ドラマ テーマ曲
 林光「国盗り物語」


今回の会場かつしかシンフォニーヒルズは初めて訪れました。新しいホールかと思っていたのですが1992年建立なので30年の歴史があるんですね。

マエストロ広上淳一さんは久しぶりです。今回のコンサートのテーマは標題音楽。つまりタイトルがあるテーマ曲の演奏会です。


まずは前半戦。
数々のコンクールで入賞を果たす若手ピアニストの北村明日人さんをソリストに招いての皇帝。
北村さんがこの曲を披露するのは今回が初めてとのこと。
マエストロと東フィルの胸を借りての演奏でしたが、いさ演奏が始まるとオーケストラの厚みある演奏に負けない堂々とした弾きっぷりで客席を魅了。
なかなかのピアノを聴かせてくれました。
アンコールのグリーグも良かった。


後半戦。
まずはタイトルは知らなくてもメロディーを聴くとすぐにあの曲だとわかるハリー・ポッターの曲。
チェレスタが活躍する謎めいたメロディーが聴き手を引き込みます。


続いては本日のメインディッシュ。
マエストロ広上淳一さんと言えばNHK大河ドラマ。
多くの作品のテーマ曲の演奏を手掛けておられます。が、マエストロと大河ドラマの関わりは幼少の頃からなのだとか。実はお父様が
NHKにお勤めで大河ドラマは第2作からずっと欠かさず観て来られたそうで、相当のヲタクらしいです。

まずは、実際に指揮を担当された「軍師官兵衛」と「真田丸」から。
続いて「篤姫」「麒麟がくる」「どうする家康」。
2分40秒という時間成約の中で一年間かけて描かれるドラマをギュギュっと濃縮して音楽で表現するという難題にチャレンジして作られる音楽は、本当にそれ自体が素晴らしい序曲という作品なんだと再認識させられました。
緩急や超絶技巧、そして複雑なのに美しい旋律。それらが聴き手を捉えて離さない。ハマりますね!


そして、モルダウ。
誰もが知るこの楽曲。何度聴いても名曲です。
プラハの春音楽祭では必ず最後に演奏されるこの曲はチェコの皆さんにとっては欠かせないものなのでしょうが、もはや人類にとっての遺産とでも言うべき作品だと思います。


ここでマエストロからごあいさつ。
1月1日に発生した能登半島地震。現在マエストロはオーケストラ・アンサンブル金沢のアーティスティックリーダー(音楽監督)を務められておりますが、本拠地金沢や楽団員の皆さんも被災され、大変な状況のようです。
元々この重責を引き受けるはずじゃなかったマエストロですが、3年前に師匠だった岩城宏之さん(当時も故人)が数日連続で夢枕に立ち懇願されたため引き受けたそうで、立て直し途中での今回の被災だったのだとか。
しかし、人々の心には音楽は必須不可欠なのでいち早く心に寄り添う音楽を届けるべく支援を求めています!との義援金の呼びかけ。

このあと終演後の義援金箱の前には押すな押すなの長蛇の列が。もちろん自分も諭吉さんを握りしめ並ばせてもらいましたよ。

そんなマエストロからのアンコールは、未来に希望が持てるようにと、美濃のまむしと呼ばれた斎藤道三とその義理の息子となる尾張湖うつけと呼ばれた織田信長の生涯を描いた「国盗り物語」のテーマ。

参加できて良かったコンサートでした!