「非常口」は私たちが会社で「もうだめ~苦しい、限界がっかり」ってなった時の緊急避難口である。


私たちは、ここからいつでも脱出することができる!!



そんなメッセージを、この非常口のマークを使って何か作品に落とし込めないかな~と考えていました。



とりあえずグーグルで画像検索すると、でるわでるわ、非常口くんのパロディ画がたくさん非常口


私も、非常口くんが会社から逃げ出すピクトグラムを作ってみようかなぁ、なんてイメージをふくらませていました。



その3日後、私は、chim↑pom という現代アート集団がキュレーションする、「ひっくりかえる展」を見にワタリウム美術館へ出かけました。



chim↑pom のことは、渋谷にある岡本太郎の巨大壁画「明日の神話」に、福島原発が爆発した様子を描いた絵をはめ込んだゲリラ行為で騒動になったのを、ワイドショーで見て知りました。



その頃、私は岡本太郎にとても傾倒していて、2011年がちょうど岡本太郎生誕100周年だったもので、全国で開催される企画展を見に、西へ東へ飛び回っていた時でした。



執筆本も何冊も読むなど、何かに憑りつかれたかのように「岡本フィーバー」炸裂でした。



chim↑pomの問題作「LEVEL7feat.明日の神話」に対する批判は賛否両論で、「モラルに欠けたとんでもない悪戯行為だ」という否定的な意見も多数あったようですが、私は



「もし岡本太郎が生きていたら、きっと面白がるだろうな」という思いがあったので、



この行為に対しては、わりと好感の目を持って見ていました。



ただ、chim↑pom という一見あやしげなアーティスト集団に関しては、作品集を見る限り、結構えげつない表現行為もあったりするので、芸術家として本物かどうか、判断を決めあぐねていました。(なんだかエラそうなこと言ってすみません)



けれど、ずっと「興味の対象」として、頭の片隅に在りつづけていました。



それで、今年の7月になって急に、chim↑pom のメンバーである「エリィ」の名前を思わぬところでよく目にするようになったんです。



普段絶対に読まない、立ち読みすらしない、新卒向けの就活本を本屋で見つけ、なんとなく気になって買って読んでいたら「エリィ」のインタビューが載っていたり。



ノートパソコンを買ったので、インターネットラジオを聴こうと思ってFM放送のタイムテーブルを見ていたら、「エリィ」がMCしている番組を発見したり。



「なんだか最近エリィの名前をよく見るな~。そういえば最近chim↑pomどうしてるかな~」



公式HPへいくと、「ひっくりかえる展、7月29日まで」とありました。



それは、そのHPを見た日の週末でした。しかも、chim↑pom 執筆の新刊本まで発売したばかり!



とあったら、これも何かの縁。一気に気持ちが高揚して、



「この興奮冷めやらぬ感じは、なにかあるかも・・・これは行くしかない!」



と、またもや東京行きを決行。



そこに出品されていた、chim↑pom の作品を見て、唖然としました。



そこには、なんと非常口をモチーフとした作品があったのです!!



「いきのこる つきささる」




「いきのこる」

美術館の壁をガソリンで焼いて、焦げ跡を残すという手法で制作された作品。真ん中にいるはずの「非常口くん」は、無事外へ逃げ出して助かったのか!?。



この作品を、chim↑pom はこう説明しています。



「ひとつの震災を経験し、やがてくる危機を意識しながら、僕らは今再び「震災前」を生きているのだという気分を反映したものです。」



私は、完全にこの作品に呼ばれたな、と思いました。というより、共鳴したという方が正しいかな?



彼らの新刊「芸術実行犯」を読んで、かなりシビれました。


「アーティストは「名乗る」より「やる」もの」



「技のかわりに「コンセプト」という万人の手に届くものが素地になるという点からも、アートはすべての人に開かれています。」


私は上記の部分にいたく共感しています。そして、少なからず影響を受けています。



肩書きとしてのアーティストになりたいわけじゃあない、でも、アーティスティックな人生を生きたい!!


芸術実行犯 (ideaink 〈アイデアインク〉)/Chim↑Pom(チン↑ポム)

¥987
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 chim↑pom 展 2012年9月22日~10月14日 渋谷パルコミュージアム