マイケル・A・ロベルト(著)「なぜ危機に気づけなかったのか ― 組織を救うリーダーの問題発見力」を読了。
なぜ危機に気づけなかったのか ― 組織を救うリーダーの問題発見力/マイケル・A・ロベルト
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問題をどのように解決するか、については議論をよく交わしていながら、問題が散発的で、全体像のどこを議論しているのかわからなかったり、その問題が、どれくらいの優先度があるのか、それを解決すると何が解決するのか、ということが曖昧だったりする感覚を抱いたことはないでしょうか。(結構、しょっちゅう、あります。)

という経験も多いので、「どのように問題発見のスキルを磨くのか」というテーマに興味を持ちました。ただ、本書は、どちらかといえば、問題を小さいうちに早期に発見して大きな事件にしない、という点に焦点があたっているように感じました。

が、得るものは、多くありました。

本書の構成は、優れた問題の発見者になるためにリーダーが身につけるべき7つのスキルについて、それぞれ記載しています。
7つの要素は、次の通り。
(1) 情報のフィルターを避ける
(2) 人類学者のように観察する
(3) パターンを探し、見分ける
(4) バラバラの点を線でつなぐ
(5) 価値のある失敗を奨励する
(6) 話し方と聴き方を訓練する
(7) 行動を振り返り、反省のプロになる

この中には、既知の事項(できてはいませんが)もあったのですが、非常に納得感を感じられた記述を発見したのは、(3)(7)に対応した章でした。
あまり今まで意識してこなかった点で、特に共感した点についてメモしておきます。

(3) 第4章:パターンを探す 
・パターンの認識プロセスは、現在と過去の状況の類似性を見つけることであり、第六感は、それを無意識に行っている。
・ただし、二つの状況の類似性にこだわって過大評価し、多くの基本的な違いを無視する傾向がある。その場合、ソリューションからスタートして問題を探してしまうことが過りの原因になる。必ずしもパターンが正確に一致しているとは限らないことに注意すること。

(7) 第8章:ゲームの録画を見る 
・エリートと呼ばれる選手や演奏家は、練習時間が長いだけではなく、デリベレイト
・プラクティス(計画的に熟慮された練習)を行っている。・単にひと箱のボールを打つのではなく、80%の球をピンの20フィート以内に寄せることを目標にして、エイト・アイアンを使って300球打ち、絶えず結果を観察し、適切な修正を行い、それを毎日数時間行うこと。それが、デリベレイト・プラクティスである。
・結果だけでなく、自分の技術そのものに対しても綿密な注意を払う、プロセス志向でなければならない。

また、結びの言葉として筆者が書いている一文は、非常に耳の痛い一言です。自戒を込めて引用。
「オフィスに座って、悪いニュースがドアの前までやってくるのを待っているようでは、問題の発見はできない。」
我が身を振り返り、お恥ずかしい限りです。