Definition (dividing curves)
A を possibly disconnected non-singular compact complex curve with an anti-holomorphic involution φ とする.
A(R) を A における φ の不動点集合とする.(これは,S^1のdisjoint union)
このとき,(A, φ) (あるいは簡単に,A(R)) が dividing (あるいは,type I)
であるとは,
[A(R)] = 0 in H_1(A ; Z_2)
が成り立つことである.
つまり,A(R)が空集合であるか,または,
空でないとすれば,Aのある連結成分 A_i に対しては,その実部A_i(R) (=A_i における φ の不動点集合)が空でないわけだが,そのようなすべてのA_i に対して,A_i から A_i(R) を除いたものが非連結,つまり,A_i(R)が A_i をdivideする,ということである.
もっと詳しく言うと,Aの連結成分 A_i は,そこに φ を制限できるものと,φによって,別の連結成分に移るものがあるが,後者の場合は,明らかに不動点集合A_i(R)は空であり,前者の場合は,実部 A_i(R) が空でないこともありうる.
A(R)がdividingであるとは,実部 A_i(R) が空でないようなすべての連結成分 A_i に対して,A_i から A_i(R) を除いたものが非連結,つまり,A_i(R) が A_i をdivideする,ということである.(下図参照)
A(R)が空でなくdividingな場合に,A_i(R) が空でないようなすべてのA_i に対して,差集合A_i - A_i(R) は,φによって移り合う丁度2つの連結成分(A_i)_+,(A_i)_-からなり,A_i(R)はそれらの境界になっていることがわかる.(下図参照) 従って, A_i(R)には,(A_i)_+ (あるいは,(A_i)_-)の境界としての向きを導入できる.この向きは,A_i(R)の各連結成分の向きを一斉に逆にすることを除いて一意的に決まる.このようにして決まるA(R)の向きをcomplex orientation と呼ぶ.
dividingnessおよび,complex orientation は,Rokhlinにより導入された概念である.
M-curveはdividingであることが知られている.しかし,曲線A がM-curveでなくても,つまり,A(R)の連結成分数が最大に達していなくても,A(R)がAをdivideする,ということはあり得る.(下図参照)
このように,M-curveでないがdividingである例は多い.
RP^2上の非特異実代数曲線の場合,dividing curvesのisotopy typesに対しては,M-curvesに対する合同式(Rokhlinの合同式)よりも緩やかな合同式(Arnol'dの合同式)が成り立つことが知られている.

