


「そこまで言わなくてもいいでしょ」と取りなし、「いすが回っているわけでも、ミスタービーンがネクタイをはさまれて回ってくるわけでもないでしょうし」とくだらない冗談で熱くなった頭を冷ましてもらい、回りの人たちも、「オレはよく行くよ」と言って、「100円の寿司に文句言ってもしようがない」とか「腹一杯になるだけでいいんだから」などと、はま寿司を弁護していましたが、行ったことがなかったため、具体的には反論も同意もできませんでした。
回転寿司そのものにあまり行く機会のない日々の暮らしをしているもので、これまでにくら寿司や日本海寿司など数えられるくらいしか行って食べた経験がなく、その人が行った店ではないものの、大食漢の友人に誘われて、全国チェーンのはま寿司に初めて行くことができ、行ってみて、けなしていた人の言い分も、はま寿司を気に入っている人の言い分も、ほんとうによくわかり、納得できました。
これまでの回転寿司のイメージでは、人気のないネタはイカが反り返るなど干からびた状態であったり、ほこりをかぶっているのではないかとすら思われたり、延々と回転しつづける皿がいくつも流れてくるものと思い込んでいましたが、それはいつの時代の話だということであり、いまどきの回転寿司はほとんどタッチパネルで注文した皿を取って食べるようになっていて、寿司ばかりでなく、酒のつまみや麺類、デザートなどもあり、寿司店というよりも、「回転ファミリーレストラン」というのがふさわしく、家族できても、寿司だけではなく、いろいろなメニューから、こどもも年寄りも好きなものが食べられるように工夫されていて、確かに、寿司の握りは職人技とは思えず、ネタの切り方も一定せず、軍艦巻きも見た目がよくないながらも、口に入ってしまえば寿司の味がするし、うまいと思えばうまいのであって、それがいやならどんぶりかラーメンでも頼めばよく、「こんなものまである!」という発見の楽しみがあって、ついノセられて、「きりたんぽ」を注文したものの、本場のきりたんぽには、似ても似つかないものでした。
カウンターで話をしている途中で、はま寿司のことをぼろくそ言っていた人の話題を持ち出しましたが、「銀座の寿司屋じゃないからね」などとあっさりかわされ、「ここにくる人は寿司のクオリティを求めてはいないでしょ」ということで、「家族で目一杯食べても、たかが知れているってのが最大の魅力じゃないの?」ということであって、ふたりで腹一杯食べて、2400円ほど、これならまたきても充分に満足できるでしょうし、30分ほど待った甲斐もあったと思われ、今度は遠慮なくどんどんタッチパネルを押しまくるぞ、と決意も新たにはま寿司をあとにしました。