

ホテルを訪れる客たちは、誰しも仮面をかぶって訪れると語られるわりには、周囲から浮き上がった存在感のあるいかにもな風体とキャラクターの客たちが、いかにも言い出しそうな注文や難癖をつけてきて、そのたびに「ちょっといい話」として対応してしまうエピソードもわかりやすい。
捜査本部がホテル内に設置されていて、会議が開かれるたびに、潜入している捜査員が一同に会し、動機や手口が違い、何の関連性も見出せない難解な連続殺人事件の概要を、懇切丁寧に繰り返し説明してくれるのもわかりやすい。
そろそろ大団円を迎えそうな時間になると、あやしい人物が動き出し、耳目を集め始め、潜入捜査員のほとんどが向かっている隙に、真犯人がターゲットに接近し、追い詰め、あとはとどめを刺すだけという最終段階になってから、この殺人を行うに至った動機や経緯をくどくどと語って聞かせ、ここまで理路整然と説明責任を果たされると、警察の取調べも楽になるだろうな、と感心し、納得できるのもわかりやすい。
犯人探しのわりには、あやしい人物は次から次へと立ち去って行くために、消去法で「こいつしかいないだろう」と思わせてくれるのが、一番親切でわかりやすい。