子供の頃、UFOや超能力者の

TV特番を、家族でよく見ていた


祖父母を見送り、妹も養護施設に

通うようになり、継母が、笑顔を

見せるようになった頃だ


私にとってUFOは、幸福な家族の

象徴であり、大切な思い出だ


小学生の頃から、TVの影響なのか

UFOの夢を、定期的に見るように

なった


町にUFOの大群が現れ、次々に

着陸するのを眺めている夢


空一面に、大群のUFOが現れたのを

見上げている夢


家の前に佇んでいるUFOを、駐車

されている車を見るかのように

ぼんやり眺めている夢


私にとってUFOは、車やバスと同じ

ただの乗り物でしかなく、まるで

バスに乗るかのように、近づいて

いく夢も、繰り返し見ていた


スターシードである自分を、思い

出した今となっては、あれは自分

のUFOだったのだとわかる


自家用UFOに乗り、他の星に移動

したり、同じ目的を持ち、この星

に降りたった仲間達に、会いに

行った記憶なのだ


ある夜寝入りばなに、胸の奥深く

から、若い女性の声が響いてきた


テレパシーで、何かを伝えようと

している、そう感じた


まるでクリスタルチューナーを

鳴らした時のように、響いてくる


優しく透き通る美しい声が、内側

から外側へと、幾重にも、波紋を

描くように、伝わってくる


その声は私に「Oさんに伝えて」

と話しかけてくる


心地良い響きに、うっとりとして

いると、返事を待っているのか

繰り返し話しかけてくる


Oさんに、何を伝えればいいのかと

心の中で問いかけても、ただ伝えて

と繰り返すばかり


わかったと答えると、美しく涼やか

なエネルギーが、辺りにふわあぁと

広がり、優しく私を包み込んでいく


それはまるで、大輪の薔薇の花が

ゆっくりと、花びらを広げていく

かのような、その瞬間、甘い香りが

広がるかのような、心地良さだった


Oさんは、当時私が、霊的な事柄に

ついて相談していた、メンターの

ような存在の人だ


ベガの宇宙船に、招待しようとした

が、周波数が合わず、私に仲介を

頼みに来たらしい


私と友人は、いわゆる巫女体質で

Oさんは、私達の相談に対し

審神者として、アドバイスをして

下さっていたのだ


男性エネルギーの強い方だから

コンタクトが、取りにくいのかも

しれない、と考えていたら、目の

前の霧がだんだん晴れてきた


霧の中に、うっすらと見えていた

ベガ星人の姿が、カメラのピント

が合うように、ゆっくりと見え

始めていった


ライダースーツのような、身体に

ぴったりとフィットした、靴まで

一体の、黒い宇宙スーツ


外に見えているのは、頭部と手だけ


透き通るような、美しい白い肌に

背中まである、緩くウェーブの

かかった、豊かな金髪


ほっそりとした手足に、女性らしい

豊かで美しい肢体


一見、プレアデス星人のようだが

ベガ星人だとわかる


私の持つ、宇宙人のイメージに

合わせてくれているのだ


彼女は、私の懐かしいベガの友人

ではなかった


背後には、操縦席があり

忙しく働く、数人のクルーの

後ろ姿が見える


私のいる部屋に、UFOが半分

くい込むように、繋がっていて

互いに、行き来出来るように

なっていた


彼女に促され、データ室へと移動

した。造り付けの本棚が、壁一面

に設えてある


私が理解しやすいように、書架の

ように、見せてくれているようだ


ぎっしり並んだ、宇宙の秘密を

紐解く、様々な書物を前に

心が浮き立つ


出来るなら、全て読みたい、と思い

ながら、背表紙を眺めていた


目の高さの棚に、洋の東西を問わず

様々な、歴史的偉人の名の入った

本が、ズラリと並んでいる


哲学者や、宗教家などの名前の中

イエス様の名があった


様々な銀河や星での、指導内容の

記録が、百科事典のように

シリーズごとに、並んでいる


一冊の本に、手を伸ばしたところで

記憶が途切れた


目覚めた時、あれほどはっきり見て

いたはずのタイトルを、全て忘れて

しまい、思い出せなかった


後日Oさんに、夢の話しはしたが

仕事の関係で、他県に引っ越され

ベガの宇宙船に、乗れたのかどうか

今だに聞けないままだ


その出来事がトリガーとなり、

度々、時間のズレや、空間のズレを

感じるようになっていった


身体と霊体の僅かなズレや、自分の

身体の輪郭が薄くなり、まるで風船

になったような、不可思議な感覚


歌の歌詞、メロディ、自分の言葉

に対しても、魂が激しく反応する

ようになった


電気ショックを受けたように、身体

がビクッと跳ね上がる。痙攣する


人の言葉に、まるでバネが入って

いるかのように、身体が跳ねる


機能性神経症状症かと考えたが

有り得ない程、身体が跳ね上がる

ので、自分に何かが起きつつある

のだとしか思えなかった


家族と一緒に、女性歌手の歌を

聞いていた時、スッと身体の中から

霊体が、上にずれた感覚があった


えっと思う間もなく、赤ちゃんの

エンジェルが、それぞれ、右腕と

左腕をそっと掴み、ニッコリと

笑いながら、私の霊体を引き上げた


空を、雲を抜け、あっという間に

宇宙空間にいた


目の前に、奈良の大仏のように

大きい、王座に座る女帝が見える


霞が辺りに立ち込め、女帝の姿は

シルエットとしてしか見えない


何故か、私の本体意識の中の

女性エネルギーの姿だとわかる


そうしている間、地上で音楽を

聞いている自分も、同時に認識

出来ていた


自分が、2人に分かれていて

お互いに、お互いを認識しながらも

それぞれ、個として存在していた


何が起きているのか

何処にいるのかも、わからない


お連れしましたという、エンジェル

達の、嬉しそうな、誇らしげな声が

聞こえる


女帝の前で、ただただ畏れ多く

畏敬の念を抱きながら、そっと

目を上げると、女帝の満足げな

微笑みが、ほんの一瞬だけ見えた


お姿を見てはいけない、と俯いた

途端、あっという間に、地上の

自分の身体に吸い込まれていった


はっとして周りを見廻すと、夫と

息子が、心配そうな顔をして

こちらを見ていた