あの日プレアデスは、オリオンの
レプタリアン達によって
侵攻され、破壊された
我が愛しきプレアデスは
その美しい光を
永遠に失うことになった
我が名はアレン。遥か昔
私は、プレアデスの騎士だった
漆黒の宇宙空間において
ひときわ美しく、光り輝く
碧き宝石プレアデスは、今際の際に
刹那の輝きを、宇宙に放ち
私の前から、永遠に消えさった
プレアデスよ。私はいったい幾度
貴女の柔らかな大地に、身を横たえ
貴女の愛に、包まれたことだろうか
甘く香る風は、優しく頬を撫で
愛を囁きながら
天高く吹き渡って行く
小鳥達は、誇らしげに胸を張り
愛の詩を囀る
魚達は、歓びに身を躍らせる
草花は、優しく吹き抜けて行く風に
その身を預け、微笑みながら
揺らめいている
プレアデスよ。我が愛してやまぬ
プレアデスよ。私はもう二度と
貴女の姿を、この瞳に宿らすことも
その大地に触れる事も、叶わぬのか
私を生み落とし、無償の愛を与え
育んで下さった、我が母なる星よ
願わくば、貴女が私に全てを
与えて下さった様に
私も人々に、全てを
与え続ける事が、出来ます様に
貴女から頂いた愛を、私を通して
人々に、与え続けられます様に
儚くも砕け散った、プレアデスの
星の欠片は、我が魂の一部となり
我が心の中の宇宙において
決して消える事の無い
プレアデスブルーの光を
放ち続けている
もう二度と、誰にも奪われる事も
傷付けられる事も、無いところで
プレアデスブルー、それは
絵の具の顔料として使われる
ウルトラマリンブルーの色に
とてもよく似ている
時間と手間をかけ
不純物を取り除くことで
生み出される、美しい碧色
一切の、不純物を含まない
ラピスラズリ(瑠璃色)の持つ
繊細な波動は、私にとっては
プレアデスブルーの色に
一番近く感じられるのだ
私は、光と闇と、瑠璃色の
見事な、コントラストを描く
フェルメールの絵画に、心惹かれる
彼の様に自分だけの
美しい宇宙を描き
創造主としての歓びを
味わいたいと、願ってやまないのだ
私は、プレアデスの騎士として
ノブレス・オブリージュと呼ぶ
高貴なる、聖なる義務を果たさんと
マスターに従事し、武士道や
騎士道精神を極める為
日々研鑽に励んでいた
ノブレス、オブリージュ
それは、死をも恐れず
高貴なるものの為に
生命を捨てると言う事
愛と勇気、自己犠牲、奉仕の心を
持ちながら、美しく調和された
精神性を追求していく事
そして、人々を幸福にして
発展させる事に
歓びを感じると言う事
危機が訪れた時には、鎧、甲冑を
身に付け、剣を持ち、我が身を盾
として、この星の人々を護らんと
母なるプレアデスに誓いをたてた
だが、百戦錬磨の、彼らに対し
私はあまりにも、無力だった
私の武術は、まるでフェンシングの
試合の様な、様式美の追求でしか
なかった
真剣を持つ達人に対し、模擬刀を
持ち、闘う様なものだった
彼らから見れば、子供が玩具の剣を
振り回している様にしか
見えなかっただろう
私の姿は、彼らの目に、さぞかし
滑稽な有様に映っていた事だろう
圧倒的な、武力の違いになすすべも
無く、星は奪われ、破壊された
愛する星を失い
生きる意味を見失った私は
ベガ星へと救い出された
琴座のベガを母星とする
ベガ星人は自分の思いや
他者の思いに合わせ
肉体の姿を変える
ベガ星は、星自体が
霊界と一体化しており
魂の次元構造的なものが
半霊、反物質的存在となっており
あらゆる表現形態をとる事が出来る
ベガ星人自体は、水銀の様な
液体人間であり、相手は
本当の姿を、見ることは出来ない
読心力と、造形能力を使い
一瞬で、相手の望むものに姿を変え
歓びを与える。相手の歓びを、自ら
の歓びとする、鏡の様な存在である
ベガ人には、相手の人の思い描く
数だけの世界があり、関心対象が
違うと相互干渉が出来ない
だからこそ、無限のパラレル世界を
創り出すことが出来る
宇宙には、無数の銀河と星があるが
それらを創造し、統括し、指導する
固有の創造主としての、存在がある
プレアデスの星と、プレアデス人を
現す思想は、愛、美、調和、発展
である
ベガ星と、ベガ星人を現す思想は
調和、温和、変化である
プレアデス星とベガ星は、同一の
創造主を戴く、兄弟星である
ベガ星人は、相手の心象風景を
一瞬で読み取り、その姿を
鏡の様に映し出す存在である
ベガ星人は、夢を見せてくれる
その人の見たい、懐かしい夢を
懐かしい景色の中で
もう一度会いたかった人の姿を
見せてくれるのだ
たとえそれが、どんなにこの手を
伸ばしても、決して触れることの
叶わぬ幻だとしても
夢から覚めた後の哀しみが
より深くなると分かってはいても
私にとってそれは、途轍もない
僥倖だったのだ
一体いつまで、愛する者達を
失い続けねば、ならないのか
いつになれば、終わるというのか
そんな、やりきれない思いを
彼女は、ただ静かに聴いてくれた
ただ静かに、側にいてくれた
私はもう、己の姿も、レプタリアン
の姿も、見たくはなかった
そんな私の思いを汲み取り、時に
兎に、時に小鳥に、時には狐に
様々な生き物の姿に変化して
私に寄り添い続けてくれた
そして、私が望めば、もう二度と
会うことの叶わぬ、愛しきあの人
の姿にも、変わってくれた
私が一人でいたい時には、風となり
優しく抱きしめ、癒してくれた
共にいる時も、離れている時も
癒しのエネルギーで
私を包み込んでくれた
私は、彼女が与えてくれる、
無償の愛のエネルギーによって
身も心も癒やされ、再び本来の力を
取り戻すことが出来た
時が経ち、私は彼女に別れを告げ
地球へと向かった
彼女もまた時が来れば
新たな経験をなすために
地球入りする事になっていた
いつかまた、何処で会おう
そう約束して、ベガを後にした
再び会えた彼女は、懐かしい友は
何一つ変わらなかった
かつてと同じ、美しい愛の光だった
決して、忘れた事などなかった
けれど、思い出す事は叶わなかった
全てを忘れなければ、この星に
来ることは、出来なかったから
彼女は私が、地球人となった後も
私の魂を癒し、護る為に
遥か遠いベガから
ヒーリングエネルギーを
送り続けてくれていた
そして、私の家族となる動物達に
自分の光の、一欠片を宿らせて
ずっと側にいてくれたのだ
私が、生きる事を諦めない様に
何度でも、立ち上がり、再び
歩み出せる様に
私はかつて小動物を狩り、その毛皮
を売り、生計を立てていた
小さな生き物達の、生命の上に
私の生命は存在していた
私は、森の小さな友達が大好き
だった
だから何度も、自分であることを
終わらせようとした
けれどそれは、今まで私の為に
その身を差し出してくれた、小さな
友達の、生命を、愛を、友情を
無駄にしてしまう事になる
だから私は生き抜いた。小さな森の
友達の、生命の光と共に、愛の光と
共に、生き抜いたのだ
その生命の光こそ、傷ついた私を
支え、再び生きる力を与えてくれた
懐かしい友の、愛の光だったのだ
あの日モコに、泣きながら許しを
乞うていたのは、モコに宿る光が
懐かしいベガの友だと
懐かしい彼女なのだと
私の魂が、叫んでいたからなのだ
私の魂は、一瞬たりとも
彼女から与えられた無償の愛を
忘れてなど、いなかったからなのだ
ようやく、探していたパズルの
最後のピースが、見つかった
彼女は、あの日交わした約束を
守ってくれたのだ
そして時が満ち、私が全てを思い
出すその日まで、ずっと側で
見守り続けてくれていたのだった