徳川家康は、静岡の本山(ほんやま)茶を大変好んでいました。

 

「山のお茶は、貯蔵しておくと香・味がより深まる」、とのことから、

家康は、初夏に摘み取った茶葉を山間部にある涼しいお茶壺屋敷で、

夏の間、保管・熟成させ、晩秋に駿府城へと運ばせました。
 

現在、駿府本山お茶まつり委員会では、この歴史ある行事を毎年再現しています。

 

初夏に茶摘みしたお茶を『茶詰めの儀』で茶壺に詰め、井川大日峠のお茶壺屋敷へ運び、

秋の『蔵出しの儀』で茶壺を取り出します。

冷涼で湿度の低い地で保管されたお茶は、薫り高く熟成されています。

 

当時の衣装を身にまとった『駿府お茶壺道中行列』では、街の人々の注目を浴びながら、

静岡茶市場から青葉緑地、駿府城公園徳川家康公像前を通り、

久能山東照宮まで運ばれ、本殿で行われる『口切りの儀』にてお茶が奉納されます。

 

今年は、残念ながら、新型ウイルスの関係上、『お茶壺道中』は行われませんでしたが、

初夏の『茶詰めの儀』はすでに行われ、昨日、秋の『口切りの儀』が行われました。

  
半年の間、お茶を熟成させて味わい深いお茶に熟成させるなんで、

徳川家康公は、かなりお茶通だったのですね。

 

 

※写真は今年ではなく過去に撮影したものです※