会社法の利益相反取引(356条1項2号3号)は非常に重要で論文試験にもよく出る。が、いまいち整理がしにくいところではないだろうか。問題として出題されたときも、試験場で混乱してしまいがちである。そこで今回は、一受験生の立場から、利益相反取引に関して、一つのわかり易い(答案に書きやすい)考え方を提示してみようと思う。

にほんブログ村 まず、直接取引については、「ために」の解釈につき名義説で考え、会社と取引を行った者だけをみて、条文に該当するかを判断する。これで直接取引に該当しないとされた場合には、次に間接取引に該当しないかを検討する。ここでは、計算説にたって、実質的な利益の流れに着目する。ここで間接取引は無限に規制対象が広がりうるからそれを限定する必要がある(承認が必要なのに欠けると取引の効力に影響があるから、取引の安全を害することになってしまうため)。ここで、通説は、間接取引とは、会社と第三者の間の取引であって、外形的・客観的に会社の犠牲で取締役に利益が生じる形の行為が規制対象になると考える(江頭411頁)
以上のような立場で問題の解答に臨めばおそらく充分筋の通った答案が書けると思われるが、実際事案の解決をしようとしたとき、通説の基準に当てはめをしようとしてもどの程度の利益の流れが認定できれば間接取引に当たるといってよいのかが必ずしもはっきりしないこともあるだろう。
そこで、さらに書きやすい考え方をするならば、356条1項3号に列挙された間接取引に類似したものだけが間接取引であると考えるやり方もありうるだろう。間接取引に当たらないとされても、まだ、忠実義務違反を問いうるのであるから、間接取引規制を拡大することに躍起になる必要はない。(しかも相手側から経営判断原則の適用により忠実義務違反にならないとの反論がされたとしても、利益衝突が問題となる場合にはかかる原則の適用はないから不均衡はない。)
まとめ
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にほんブログ村 まず、直接取引については、「ために」の解釈につき名義説で考え、会社と取引を行った者だけをみて、条文に該当するかを判断する。これで直接取引に該当しないとされた場合には、次に間接取引に該当しないかを検討する。ここでは、計算説にたって、実質的な利益の流れに着目する。ここで間接取引は無限に規制対象が広がりうるからそれを限定する必要がある(承認が必要なのに欠けると取引の効力に影響があるから、取引の安全を害することになってしまうため)。ここで、通説は、間接取引とは、会社と第三者の間の取引であって、外形的・客観的に会社の犠牲で取締役に利益が生じる形の行為が規制対象になると考える(江頭411頁)
以上のような立場で問題の解答に臨めばおそらく充分筋の通った答案が書けると思われるが、実際事案の解決をしようとしたとき、通説の基準に当てはめをしようとしてもどの程度の利益の流れが認定できれば間接取引に当たるといってよいのかが必ずしもはっきりしないこともあるだろう。
そこで、さらに書きやすい考え方をするならば、356条1項3号に列挙された間接取引に類似したものだけが間接取引であると考えるやり方もありうるだろう。間接取引に当たらないとされても、まだ、忠実義務違反を問いうるのであるから、間接取引規制を拡大することに躍起になる必要はない。(しかも相手側から経営判断原則の適用により忠実義務違反にならないとの反論がされたとしても、利益衝突が問題となる場合にはかかる原則の適用はないから不均衡はない。)
まとめ
【パターン①】
(1)直接取引
⇒会社と取引を行った者だけを見て名義説で考える。
(2)間接取引
ア (1)で直接取引に該当しないとされた場合には、さらに、間接取引に該当するか検討。この際、計算説に立って実質的な利益の流れに着目して間接取引該当性を検討。
イ 間接取引の具体的基準
=会社と第三者の間の取引であって、外形的・客観的に会社の犠牲で取締役に利益が生じる形の行為(通説)
【パターン②】
(1) 〃
(2) 〃
ア 〃
イ 間接取引の具体的基準
⇒間接取引規制は無限に広がりうるから、限定すべき。そこで、356条1項3号の列挙事由に類似する場合に限る。
(3)間接取引に該当しない場合 ⇒忠実義務違反の検討
注:利益衝突が問題となる場合には、経営判断原則は適用できない。
※参考文献
・「株式会社法 第4版」江頭憲治郎
・「会社法 第2版」伊藤靖史他
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・「株式会社法 第4版」江頭憲治郎
・「会社法 第2版」伊藤靖史他
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