イトコ婚の可否-2 (副題:国の形-16)
テーマ:歴史
専門用語のミニ解説
B-2.交差イトコ、平行イトコ の項の続き:
[専門用語] 日常用語と遺伝学・人類学用語は異なる
説明文の中にも難解用語があるので、右クリックでググって下さい。
1.優性・劣性の意味:
図4.メンデルの法則
ここで言う優性劣性とは、形質の優劣の意味ではなく、遺伝学の用語である。
図4.では、Aが優性、aが劣性である。
因子Aは1つでも2つでも黒or赤色になるが(優性)、
因子aは1つでは赤or青色は現れず(劣性)、2つaaで初めて現れる。
劣性aaの赤or青色を探し求める場合も多い。強さ、美しさ、頭の良さなど(笑)。
2.近交退化:
図5.近交退化、適当な図がない
キーワード:近交係数。or 近交退化。でググって下さい。
近親交配を繰り返した場合、劣性遺伝子で隠蔽された障害や致死性の遺伝子が
現れやすく、内臓疾患や骨格異常などの先天性異常が発生する(近交退化)。
ただし、すべての障害性、致死性の遺伝子が劣性遺伝子というわけではなく、
例えば骨格異常の遺伝子は優性形質であることも多い。
近親交配は一般には危険だ。でも近親交配で純粋犬は作られる。
雑種犬が健康優良児と言われる所以だ。
近親交配の長所は次に述べる。
3.品種改良:
図6.品種改良1
図6.品種改良2
品種改良において望ましい形質が頻度の低い劣性遺伝子に基づいている場合、
その遺伝子のホモ接合によって、形質を顕在化して固定する効果があるために、
近親交配が有効な手段となる。
図6.品種改良3
競走馬や食用牛の品種改良の際に、親の持つ好ましい形質を簡単に導入する手段
として広く用いられている。たとえば望ましい形質を持つ個体が出現した際、
その形質を再び出現させるためにその親と交配させるのは戻し交配といって
品種改良における手法の一つとされる。
4.人間の近親交配:
図7.人類の試練
近親相姦と近親交配の用語は似ているようで異なる。
近親交配は遺伝的な問題を重視するためそれは自然科学的用語である。
一方、近親相姦の用語は文化的なタブーから発生した用語で、人文科学的、
あるいは社会科学的な用語である。
日本では女性の権利や障害者の人権から、優生保護法は母体保護法に改変され、
数十年になる。
発言し難い問題なのだが、高齢少子化や福祉施設などの歪が、悲惨な犯罪に
まで及ぶようになった。未成年の性教育を徹底させ、性を快楽の道具として
弄ばず、戦前の思想を脱却した優生保護法の思想を、道徳に限らず理科、生物、
社会などの学習からも、身に付けられる様に学校及び家庭からバランスの
とれた総合教育が必要だと思う。(B-2.項の終り)
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