松崎有理
東京創元社
2019年11月発行
松崎さん、前回はこちら(と言ってもリストだけ)
この時に読んだ「嘘つき就職相談員とヘンクツ理系女子」がとても面白かったので
違う本も、と思って借りてきました。
短編集なので楽に読めるか・・とも考えまして。
さて5編が入ってますが・・長さはいろいろでした。
(①と②の解説はカバー見返しから)
① 未来への脱獄
自分は未来人だと主張し、材料も資金も足りない刑務所内で
未来に帰るためのタイムマシン製造に勤しむ受刑者のかなしい決断
② ひとを惹きつけてやまないもの
長く未解決だった数学予想の証明に取り憑かれた青年と、
暗号解読にすべてを捧げた宝探し人の行く末を追う
③ イヴの末裔たちの明日
汎用ロボットAIに首を言い渡された事務職の青年
仕事を探すがなかなか見つからず・・
すぐに出来たのは「治験」のボランティア
④ まごうかたなき
化け物退治のお話。助っ人で来てくれるのは「介錯人」
退治してくれるのではなく「英雄」を作るのだそうな
武器を携えて退治に名乗りを挙げたのは5人
うち1人は殺人者で重罪のため決死隊に入れられるのが決まってました
さて、どうなったか
⑤ 箱舟の座席
地球上では宇宙人?の急襲により次々と大陸が焼き払われ・・
そこから逃げ出した箱舟(宇宙船)
到着したのは巨大な宇宙ステーションで・・
このお話、実は②と絡んでます。
そう来たか!
どれも
さまざまな「極限」に直面した人々がそれぞれ選びとる、未来の物語。
だそうです。
私が好きなのは①と⑤かなあ・・
②は数学に取り憑かれた青年と宝探しに取り憑かれた人がどこかで絡むのかと思ったら違いました。
③もなかなかに風刺的?
面白かったのでまた違う作品も借りてみようと思います。