ポール・アルテ
平岡敦 訳
行舟文化
2018年7月発行
オーウェン・バーンズという探偵のシリーズです。
知らない版元から。
面白そうだと思って借りてきたのですが。
芦辺拓さんが解説を書かれておりまして・・
実はシリーズの4冊目らしいです。
道理で・・人物の説明が不十分というか・・
過去の事件が普通に出てくるし・・
まあそれでも楽しめましたけれど・・
なんで4冊目からなんでしょうねえ。
そして舞台はロンドンなのですが・・
作家はフランス人ですね。ちなみに「本格派」です。
解説から一部引用しますと・・
二十世紀初頭のロンドンを活躍の場とするオーウェン・バーンズは、オスカー・ワイルドを思わせるエキセントリックな芸術至上主義者です。そんな彼がアマチュア探偵となったのは、巧妙な犯罪を芸術品と考えているゆえのようです。
さて、そんな探偵が活躍する本作の内容は・・
題名の通り。以下、カバー裏からの引用です。
ロンドンのどこかに、霧の中から不意に現れ、そしてまた忽然と消えてしまう「あやかしの裏通り」があるという。そこでは時空が歪み、迷い込んだ者は過去や未来の幻影を目の当たりにし、時にそのまま裏通りに呑み込まれ、行方知らずとなる・・・単なる噂話ではない。その晩、オーウェン・バーンズのもとに駆け込んできた旧友の外交官ラルフ・ディアニーは、まさにたった今、自分は「あやかしの裏通り」から逃げ帰ってきたと主張したのだ!しかもラルフはそこで「奇妙な殺人」を目撃したと言い・・。謎が謎を呼ぶ怪事件に、名探偵オーウェンが挑む!
ってことで。はい、路地が見つからなくなるのはともかく・・そこで過去や未来の幻影を見るというのが何とも。
時空が歪んでるなんて??
でもちゃんと「本格もの」ですよ。
ワトソン役は第1作で知り合ったアキレス・ストック。
警察側の協力者はヴェデキンド警部。
少しずつ調査を進めていきます。
そこにあったうらぶれた建物や怪しげな住人たちと共に路地が丸ごと消えてしまった、という謎。
入り込んだ人たちが見た幻影は何だったのか?
最後には綺麗に謎が全て解かれてスッキリします。
なかなか面白かったです。
シリーズ、ちゃんと全部訳して欲しいなあ・・