塔山郁

宝島社

2009年2月発行

 

塔山さんのデビュー作です。

次作はこちら

結構続けての刊行になってますね。
 
さてデビュー作は・・第7回「このミステリーがすごい!」大賞の優秀賞受賞作
大森望さんの解説によりますと・・
堂々たるモザイク・ミステリの秀作!
ある地方都市の小学校。6年6組で起こった事件
被害者は学級委員の楠本大輝。地元で総合病院を営む裕福な家庭の次男。
成績優秀、スポーツ万能、眉目秀麗。自他ともに認めるクラスのリーダー。
 
事件当日はその大輝の指導のもと、担任教師に下剤を飲ませる悪戯がクラス全体で計画されてたのですが・・
給食の最中に倒れて救急車で運ばれたのは担任ではなく大輝。そして死亡。
3日後、毒殺犯は自分だと遺書を残し同じクラスの三ツ矢昭雄が服毒死。
三ツ矢は5年からの編入で落ちこぼれ。孤立してた状態です。
毒物はどちらもヒ素でした。
 
動機もはっきりしないまま・・担任は辞任、校長も辞任。
事件は幕を引かれそれから30年。
今になってこの謎を解き明かそうとしていくのですが・・
 
プロローグは死期を悟った男があるミステリを読み、事件の解明を誓う
その男の指示によって当時のクラスメンバーから証言を集めていく
構成は証言や手紙、告白で綴られていきます。
少しずつ明らかになっていく当時のクラスの様子。
事件の背景に何があったのか・・
 
読み進めていくにつれて様相がどんどん変わっていきます。
なぜ毒薬はヒ素でなければならなかったのか?
 
はい、とても面白かったです。2作目より私好み。
 
もっと読みたいんですけど・・
うちの図書館。
塔山さんの本、残りはアンソロジー中の短編くらいしかない。
残念すぎです。