名機と呼ばれるオールドコンデジは

いくつかあれど神機と呼ばれるものは、

コンデジ史上でもそうはない。

FUJIFILM FINEPIX F31dは神機と

呼ぶに相応しい写りを魅せてくれる。

 

 

2006年発売。当時としても見た目は

垢抜けない部類のデザインだと思うが、

このコンデジの神機たる所以は、特に

フラッシュ使用時の写りの良さという

のが個人的意見です。

 

 

 

FUJIFILM FINEPIX F31d

 

東五反田の高架下から見た目黒川沿いを

チープに彩る、クリスマス用のイルミ。

手前のトンネル内にフラッシュが当って

いるが、外の光と暗い部分もキレイに

写ってバランスがいい。

 

 

 

FUJIFILM FINEPIX F31d

 

いかがわしい五反田の町並みをバックに、

純白に輝くクリスマスツリー。

これもフラッシュ撮影だが、手前のツリーの

細部まで、明るすぎて潰れることことなく

しっかりと写っている。

それでいて背景は暗くならず、多少ブレては

いるが、夜景としての写りもしっかり再現。

 

もちろん風景だけではなく昼間の逆光の

人物撮影などでも、フラッシュで顔が

キレイに写って誰が撮っても失敗がない。

「誰が撮っても」が、神機たる所以。

 

 

 

ただし、そんなデジカメでも弱点はある。

それは記憶媒体が「xDピクチャーカード」

であること。

 

 

2002年、当時デジカメ界を牽引していた

富士フイルムとオリンパスが共同で規格化に

乗り出したはいいが、その後、パナソニック・

東芝・サンディスクが共同開発したSDカードに

駆逐され、もうほとんど使用されていない。

 

でも、それはデジカメ自体の問題ではなく、

会社の戦略の問題。

きめ細かい再現性と、派手でもなくノッペリ

でもなく誰が見てもキレイと感じる色調は、

いまのデジカメと比べても遜色ない。

 

写真を良いと感じるのは、画素数や撮像素子

だけではなく各社特有の画像処理エンジンの

影響が大きいことがわかる。